お酢とハーブを使う
・和の膳と洋の膳
・ハーブビネガー

 

眠り続けたハーブビネガーのお話

酢屋商店でこの料理の撮影をしたのは1999年3月のことです。この撮影の時、一緒に作ったのが酢屋商店の黒酢で作ったタイムのビネガーと玄米酢で作ったアップルミントのビネガー。このビネガーは4月の蔵開きの際に古い蔵の棚に飾られていましたが、何百人ものお客さんが押し寄せた蔵開きの後、忙しさに紛れて蔵にひっそりと置き忘れられました。翌年の蔵開きではこの古い蔵はギャラリーとして貸し出され、さらに翌年はお習字の展示会場となり、棚に飾られたままのハーブビネガーは蔵開きの終わりと共にまたもや暗い蔵の中に封印されることになりました。
2002年、ようやくハーブビネガーはRITZと一緒にビネガーを作った酢屋商店の若奥さんによって陽射しの下に運び出されました。そして3月、RITZが蔵開きの打ち合わせのために酢屋商店を訪ねた時、このビネガーと3年ぶりに驚きの再会を果たし、ビネガー開きをすることになりました。
「みつけた時はギャッと叫んでしまいました。大丈夫かしら?」と言う若奥さん。「何年経とうとうちの酢は悪うならんとぞ!」と自信満々のご主人。確かに、酢の中のハーブは当然変色しているものの、カビもなくきれいな状態でした。RITZがタイム・ビネガー蓋を開けると・・・ふっと芳しいハーブの香りが立ちのぼり、アップルミント・ビネガーも負けず劣らずの香りでした。味見をするとなんと素晴らしい味!香り!「これはまた旨かですねぇ」と満足げなご主人。さすがは酢屋商店のお酢!『どっちの料理ショー』で特選素材に選ばれただけのことはあります。
さて、やっと目醒めたハーブ・ビネガーは、やがて福岡のあちこちへ、佐賀へ、長崎へと旅をすることになりました。長崎のわが家へやってきたビネガーたちは大事に大事に扱われましたが、あっという間に家族の胃袋の中へ消えてしましましたとさ。

*ハーブビネガーの作り方はこの前の“シーズニング”の章にもあります



お酢とハーブがテーマの“和の膳(写真左上から時計周りにご紹介します)

和風コーディネーション 花盛り寿司
ばら寿司にはミントのビネガーを使い、錦糸卵とボリジの花を添えて。

お蕎麦のサラダ
麺つゆの代わりにドレッシングで和えた、サラダ風蕎麦。
ドレッシングはEXオリーブオイル4、醤油2、だし汁2、梅酢1の割合に、青シソ、カイワレ、チャイブをたっぷり盛り合わせてみました。好みでワサビや柚子唐辛子などを加えて

野菜のあっさり漬け
好みの野菜を一時間ほどハーブビネガーに付けました。ここではタイムとマジョラムのビネガーを使用。隠し味にお醤油少々。

小魚のマリネ
衣にドライバジルを混ぜて、カリッと揚げた小魚のてんぷらに、アップルミント・ビネガーをさっとかけただけの一品。青シソとルッコラとミニトマトを添えました。

牛たんの香草焼き
香り付けにタイムをまぶした牛たんをさっと焼いて、マロウの葉っぱに盛り付けました。添える大根おろしにパセリのみじん切りを混ぜてもきれいです。


お酢とハーブがテーマの“洋の膳(写真左上から時計周りにご紹介します)

洋風コーディネーションイリコとベジハーブのサラダ
ニンニク、唐辛子で香り付けしたオリーブオイルとバター少々で香ばしく焼いたイリコ。冷めたところにEXオリーブオイルを足します。あとは好みの野菜やベジハーブと混ぜるだけ。

ちょこっと見えてるイタリアン・パセリ
形の良いケトルに山盛り飾ったイタリアン・パセリ。写真には写っていませんが、いろいろ野菜のスティックサラダが挿してあります。おしゃれな花瓶などもどんどん食卓に使いましょう。

スズキのカルパッチョ
スズキを塩胡椒して、全体にオリーブオイルをなじませます。いただく直前にマジョラムのビネガーと醤油を数滴、レモン汁少々をふりかけて和えます。ここではあっさり風、刻みパセリとマジョラムの葉を合わせ、イタリアンパセリを飾りました。

チキンの香草焼きと野菜のマリネ
塩胡椒し、タイムとローズマリーをまぶしたチキンを冷蔵庫で一時間寝かせ、ニンニク、唐辛子で香りを付けたオリーブオイルでカリッと焼き上げます。いただく前にビネガーを少々。付け合わせは人参とパセリのマリネ。このマリネはオリーブオイル、塩胡椒、醤油少々で和えただけのわが家の人気メニューです。

写真提供:酢屋商店『すっぱい生活』 料理&コーディネーション:RITZ


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