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GONZOの膝から滑り落ちてバックで這い上がろうとする、半寝ぼけ状態のグッチ婆さん
爪を研ぐ力が弱くなるので爪が巨大化するのも老猫の特徴だとか
グッチ、早く元気になってお膝に帰っておいで!
Photoi/Mar.'2002

 

26.Sep.'2002
20日頃からご飯に見向きもしなくなったグッチ。ここしばらくは餌を卵で溶いたり、ゆで卵をつぶして混ぜてみたり、大好物のかつお節を乗せてみたりとあの手この手の餌づくりで、少ないながらもなんとか食べてくれていたが、今日はもう水しか飲まない。ここ数日で見る間に痩せていくばかり。病院へ連れて行ったが、点滴はご老体には辛かろうという結論。薬をもらって帰ってきた。こうなりゃ強制給餌しかない。頑張ってみよう。頑張るんだ、グッチにゃん!

1.Oct.'2002
かかりつけの獣医さんが慢性腎不全に効果があるという餌を取り寄せてくれた。ちょんの字たちの頃を思い出し、これを裏ごしして卵で溶き、ほんの少しづつ注射器で口の中に流し込んでいる。が、老いたりといえど猫は猫。口の中に異物を入れられるのを嫌がって暴れ、あとはぐったりと寝込む。固形の薬となればさらに嫌がる。はずみで指を噛まれ、私の指はバンドエイドだらけだ。傷が痛んで、餌やりはさらに困難を極めてきた。
食べなくてもこのまま好きにさせて、早く楽にさせてあげた方が良いのではないか、と何度も迷った。でも、いやいやしながらもごっくんと餌を飲み込み、あたふたと水を飲む姿を見ていると、グッチはグッチなりに頑張ってるのだと思う。つらいから死にたいなんて甘えん坊なのは人間だけなのかもしれない。彼等はもっとシンプル、ただ生きていくことしか考えていないのだろう。いずれにしても、私には痩せ細っていくのをそのまま見ていることはできない。頑張るぞー。
とは言え、実際のところなにも手に付かない。キーボードも痛くて打てない。だけど、じっとしているといらぬことばかり考えてしまうので、こんな時には別のことに頭を使うのが一番!・・・と、グッチ介護の合間にいろんなソフトの設定や勉強などして過ごす。マックとグッチの間をひたすら往復する日々。

5.Oct.'2002
グッチは事務所の定位置でほぼ寝たきりになり、GONZOが仕事をしながら見守っている。投薬の度にいやいやして消耗がひどいので、GONZOと相談して投薬はやめた。グッチの命の力が自分で答えをを出すのを待とう。
私は30分おきに口に水をたらし、2時間おきに膝に抱いて餌をやる。餌がなかなか飲み込めないので卵と牛乳と蜂蜜の流動食に切り替え、注射器で与える。グッチは13歳の時に二度死にかけたことがあったが、その時にも卵、牛乳、蜂蜜で切り抜けた。だけど三度めは、今回はもう無理なような気がする。注射器には少し慣れてきたのか、あるいは片手をかすかに上下するのが、今できる限りの抵抗なのか……。
この状態でもグッチは必死で自分の足で立とうとし、そばに置いてあるトイレに乗せて支えてやるとおシッコをする。えらいぞ、グッチ。 体を拭いてやると、とろけるように気持ちよさそうな顔をする。この顔だけが今の私たちの支えだ。
はずみで噛まれた私の両親指と人さし指は化膿して、私も抗生物質に頼るハメになっている。いて〜ぞ、グッチ。それにしても、すずめっ子を育てたときに覚えた注射器を使った餌やりが今になって役に立ち、ここ数年続いた手の怪我のおかげで、6本指でも片手でもキーボードが打てる。掌や腕全体、顎の使い方にも熟達していたことに気が付いた。その気になれば何でもできる。どんなことであれ、経験をするってことは、やっぱりいいことなんだな〜と、妙なことに感慨を深める今日この頃だ。

7.Oct.'2002グッチにゃん、歩く!!!
あぁ、卵さま!牛乳さま!蜂蜜さま!グッチに出会った時から、このコンビネーションは最強なのだ!ここ数日続けていた腸内ウンチくん分割マッサージも効を奏したのか、朝にはトイレにちいさな固いウンチ君がころりころりと落ちていて、便秘が和らいだのと共に楽になった様子。今日はよろつきながらも、リビングにまで遠出をし、ほんの少しだが自分で水を飲んだ。その後、ぱたりと寝転がったけれど。。
もしかするとこのまま順調に・・・いやはや、人間とは欲深いものだ。

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