■死ぬかと思った ■罠にはまった ■胸にこたえた ■腹がよじれた ■寝るかと思った

京極夏彦の書庫 1

京極堂&薔薇十字団探偵社シリーズ・京極夏彦読み切り怪談


ベストセラー

京極夏彦氏の解釈によるなんとも哀しい怪談ものは、もう幾年も私を虜にして離しませんのさァ。鮮やかに浮かびあがる江戸の粋と、艶かしいほどにしなる言葉の流れに身を任せてェ、それ、みなさんも至福の時を愉しんでみちゃァいかがでござんしょゥ。

涙を飲んで選ぶオススメの一冊
嗤う伊右衛門

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……京極夏彦読み切り怪談……

京極夏彦 覘き小平次
初版25.Sep.'02/中央公論新社/装画=森流一郎、装幀=渡辺和雄、組版=京極夏彦、DTP=石田香織/'02、'03年読
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噂をしていると……小平次が出てくる。淡く閑やかな納戸の薄昏がりにうずくまり、かすかに開いた襖の隙間から、じっと細長い世間を覘いている・・・
1803年(享和三年)に出版された山東京伝の読本『復讐奇談安積沼』以来さまざまな文献や歌舞伎に登場してきた怪談の主役『木幡小平次』に、京極夏彦氏が新たな命を吹き込んだ。氏が描く小平次はぞわぞわとおそろしく、蜻蛉よりもはかなく哀しい。妖艶にして気丈な『穂積の宝児』、『動木運平』の虚無と凄みが強烈な印象を残し、小平次の希薄さをさらに際だたせる。
ラストでそれぞれの因縁が収束する辺りに不自然な強引さを感じたが、小平次の無気味さに満足、大満足の一冊。

京極夏彦 どすこい
<四十七人の力士 パラサイト・デブ すべてがデブになる 土俵(リング) デブセン 脂鬼(しき) 理油(りゆ意味不明) ウロボロスの基礎代謝>
初版10.Feb.'00/集英社/'00年読
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何故こんな分厚い本を……!?さては京極菌に侵されたか……!?
さもありなん。目次を見れば中身も知れようというもの。ページを操ってはバカ笑い。。う〜む、これは重症かもしれない。。。 しかし、思いのほか軽く作られているこの本は中身もしごく軽やかで、パロディーってこんなものかぁ〜〜〜?と暑苦しさに見悶える快感など発見。献辞が、それぞれにまた笑いを誘う(献辞は右上の本のマークをクリックしてお楽しみあれ)。ペンネームの中には一般公募したものもあるという。。。ホントかい!?!?

京極夏彦 巷説百物語
<登場する妖怪>小豆洗い、白蔵主(はくぞうす)、舞首、芝右衛門狸、塩の長司、柳女、帷子辻(かたびらがつじ)
初版31.Aug.'99/角川書店/'00年読
装幀:表面/『竹原春泉 絵本百物語一桃山人夜話一』(多田克己編より)
   裏面/『九相詩絵巻』個人蔵
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『嗤う伊右衛門』にも登場する御行(おんぎょう)、小股潜りの又市とその仲間が、江戸を舞台に怪異の謎を解いていく7つの怪異譚。魑魅魍魎が跋扈する妖かしの世界が江戸という小粋で明るい時代の中に溶け込んで、ジャパネスクな夢を紡ぐ。しばし時を忘れて妖怪たちの闇の世界へ。クールな御行の又一の巧みな仕切に、はまりましてござ〜い!

京極夏彦 嗤う伊右衛門(わらういえもん)
初版10.Jun.'97/中央公論社/第25回泉鏡花文学賞受賞/'00年読
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あの「東海道四谷怪談」に京極夏彦が挑む。はてさて、いったいどんな風に生まれ変わるのか……と、発刊を待って飛びつくように読んでみた。京極風四谷怪談はなんとも哀しく、なんとも焦れったく、あのニヒルな小股潜りの又市さえも最後には熱い涙を流す。これほどまでに怖く、美しい話には滅多に出会えないかもしれない。捉えどころのないやるせなさの余韻が長く残るものの、極上の怪談にふたたび出会えたことを喜ぼう。絶対に、読んでくだされ〜!

 

大極宮:大沢在昌、京極夏彦、宮部みゆき公式サイト
怪 -KWAI network :水木しげる、荒俣宏、京極夏彦他が主催する『怪』公式サイト
京極夏彦ネットコミュニティー


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