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餌(えさ)のあたえ方
ハト類の餌のあたえ方はこちら(フジ家のホームページ)
 餌やりに使う道具
昆虫などのエサは先の丸いピンセットなどではさんであたえます。とがったピンセットでケガをしたケースも多いので、気をつけてください。
すり餌や卵の餌をあたえる場合は、手許にストローがあれば便利です(右図参照)。まず、ストローの真ん中をななめに切ります。切り口がとがりますので、ヒナたちがケガをしないようにとがった部分をなめらかに切り、ヘラのような形を作ります。その先っぽでエサをすくって食べさせます。
大きめの耳かきを利用したり、割り箸などで木べらを作る方法もあります。これらは給餌器の色が親鳥のクチバシの色に近いためか、ヒナたちがより安心してクチバシを開くように思います。
ペットショップなどでは「育ての親」など専用の給餌器(きゅうじき)も売ってあり、手ごろな大きさのものがあれば便利です。一般の小鳥のちいさなヒナの場合、動物病院などで売ってくれる注射器(写真左)はサイズもいろいろあって、とても使いやすいものです。
餌のあたえ方の基本
餌をあたえるには、まずテレビの自然番組などで「親鳥がヒナの口の中に頭を突っ込むようにして餌をあたえている場面」を思い浮かべてください。親鳥のクチバシはヒナのノドのずっと奥まで届き、ノドの奥を刺激します。ヒナも親鳥の頭まで食べてしまいそうないきおいで食いついていますね。ヒナはノドの奥を刺激されることでエサだとわかり、味を感じ、食欲がわくのだそうです。ですからそれを真似してみましょう。生きた虫でもすり餌でも、ほんの少しゆするようにしながら、人間ならばオエ〜ッと言いそうなノドの奥深くまで給餌器を差し込んでやると、ヒナはかならず自分からがぶがぶと食いついてきます。ヒナにとってはその方が楽に食べれるのです。
ここで注意することは、人が食べ物を口に含むように口の中にエサを置いただけでは、ヒナには食べることができないということです。それに、鳥の口の中は、咽(のど)の手前に声門(せいもん)という穴があり、そこから気管、肺へとつながっています。口の中においた餌がこの穴をふさいだり、穴に詰まったりすると窒息して死んでしまうケースもありますから、人のように口の中に餌を置くだけというのは危険なあたえ方でもあります。
また、人が餌をあたえる場合、野生でそれまで親鳥があたえていたものと同じというわけにはいきませんが、とくにはじめのうちはできるだけ親鳥があたえているようなハエ、クモ、ガ、アオムシ、ミルワームなどの生きた虫をあたえましょう。幼くてあまり人を怖がらないヒナの場合、とくにお腹がぺこぺこの時には、人の指先や細い棒のようなものが口の前に差し出されると反射的に口を開けることも多いものです。このチャンスに生きた虫をあたえられれば、ヒナは満腹感と同時に安心感も得られ、もっともっととねだるようになります。
ヒナの状態や里親さんの環境によっては生きた餌をあたえられない場合もあります。こういう場合は卵の餌やすり餌で代用することになりますが、こうした餌をあたえることはヒナにとって「わけのわからないものを口に押し込まれる」のと同じです。下手をすると、餌をあたえること=拷問?・・・こうなるとヒナたちは頑としてクチバシを閉ざすようになります。こんな悲しいことにならないように、はじめのうちは餌に甘味をつけておいておげましょう。野鳥のヒナたちも甘いものは大好きですから、こうしていったん餌と認識させることができたら、だんだん自分から口をあけるようになります。すっかりなれたらいつまでも甘やかすことはせず、甘味はだんだん少なくしましょう。
餌を近付けても口をあけない場合>>>強制給餌
(まずは↑の二項目をお読みください)
中にはおびえて自分から口を開けようとしないヒナもいます。弱って口を開けられないヒナもいます。こういう場合は、クチバシのはしっこをこじ開けて強制的にエサを食べさせることになります。これを“強制給餌(きょうせいきゅうじ)”と言います。餌を近付けても口をあけないヒナたちであっても、強制的に食べさせなければどんどん弱って死んでしまうことになります。ヒナたちにひどいことをしているような気がするかもしれませんが、強制給餌は決してヒナたちに苦痛をあたえるものではありません。でも、むりやり口をこじ開けられるのはやはりストレスになりますから、できるだけ早く自分からえさをねだるようになってもらうためには、エサをノドの奥深くまで差し込んでノドを刺激して、おいしいエサだとわからせてあげることです。
また、野鳥を育てるにあたっては「ヒナを人にならさないこと」が原則ではありますが、強制給餌をする必要がある場合には[写真右]のようにヒナをやさしく掌で持った方が簡単にできます。エサを与えるのが初めてで不安な方は野鳥の保定についてを読んでおきましょう。
生きた虫の場合はクチバシに触れるようにもぞもぞ動かしてやると、それに反応して口をあけるヒナも多いです。あけたところにすかさず虫をつっこみ、軽く上下にゆすりながらノドの奥深くまで差し込んでいくと、ノドのちょうど良いところを刺激されたヒナは自分から積極的に食いついてきます。
すり餌などの場合は、黄色いクチバシのはしっこのタラコ唇のようになった部分(写真左ではちょうど目の下あたり)のすき間に、給餌器の先をこころもち下の方からさし込みます。上クチバシを持ち上げる気分で、軽く上下にゆすりながらだんだん深くまで差し込んで、口が開いたところで軽くゆすりながらノドの奥深くまで差し込んでいくと、ノドのちょうど良いところを刺激されたヒナは自分から積極的に食いついてきます。[写真右]で言えば、給餌器をノドの奥へ、ヒナのお腹に向ける気持ちで入れてかるくゆすってやると、ヘラまで飲みこみそうないきおいで食いついてきます。うまく餌がないらなくても、根気よくくり返してください。
どうしてもうまくいかない方は、いったん口を開けさせてそこに指をはさんだり、爪楊枝や綿棒のまん中の部分をくわえさせ、あけさせたすき間から餌を乗せたストローを差し込むようにすると良いですね。ただし、クチバシ傷つけないように、ヒナがあばれてケガをしないように十分気をつけてください。
羽が生えそろってないちいさなヒナの場合、巣箱の上のタオルや布をとった一瞬に大きく口を開けます。エサをすぐにやれる状態にしてタオルを開け、このタイミングをねらってホラ穴のような口の奥までつっこんでやりましょう。これを続けていると、手を見ただけで口をあけるようになります。
餌やりが終わったら
鳥はクチバシの中央ちかくにちいさな鼻の穴がありますから、エサやリになれないうちは鼻の穴がエサでふさがらないように注意しましょう。エサを与えたあとにはかならず、ぬるま湯で湿らせたガーゼややわらかい紙で身体にくっついたエサをふき取ってあげましょう。とくに羽根がはえそろっていないヒナの場合は汚れも病気の元になります。また、ヒナのクチバシはとてもやわらかいので、こびり着いたエサをとる時に傷つけることがあります。エサが固まってしまった場合には、お湯に浸したやわらい布でしっかりふやかして、やわらかくなってから取ってあげましょう。このときにも、鼻の穴から水が入らないように注意しましょうね。
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雛たちへの餌やリの基本は「そのう」を見ながら与えること
「そのう」がぺしゃんこになったら餌の時間です
そ嚢(そのう)について
写真のスズメのヒナはお腹いっぱい卵を食べたあとで、首の辺りの袋がパンパンにふくらんでいます。食べた卵のエサの色が黄色く透けて見えています。このように鳥の翼のつけ根と首の間の辺り(顔に向かって左側)には、翼にかくれるように「そのう」という袋があります。「そのう」は食道の一部が発達したもので、鳥がヒナを食べると、エサは舌の下部にある唾液腺(だえきせん)から出る唾液(だえき=つば)と共に食道を通り、まずはこの「そのう」にたまります。「そのう」にはいつもバクテリアがたくさんいて、消化を助けるはたらきをしています。
「そのう」はエサが少ない時期や雨などでエサがとれないににできるだけたくさんの餌をためておくための器官でもあります。穀物(こくもつ)や木の実を食べる種類の野鳥にとっては、固いエサをやわらかくふやかすためにも大切な役割(やくわり)を果たしています。ハトの親鳥はこの「そのう」の中でヒナに与えるピジョンミルクを作ります。多くの野鳥の「そのう」は1つですが、インコ類やハト類には「そのう」は2つあり、昆虫食の野鳥の中には「そのう」がない鳥もいます。
こうしてエサをためる「そのう」ですが、消化の悪いエサやまちがってのみ込んだゴミなどが消化されずにずっと残っていると、「そのう」の中で腐ったり、カビが生えたりして“そ嚢炎”を起こすことがあります。パンや炊いたご飯粒は「そのう」の中で発酵(はっこう)しやすく、たくさん与えすぎると“そのう炎”につながる危険があります。
また、エサをあたえる間隔が短すぎると、エサがちゃんとおりていかずに「そのう」の中にたまったエサがくさったり、餌の水分ばかりが下におりて残ったカスが固まり、“食滞(しょくたい)”というたいへんな病気になるおそれもあります。ですから、清潔な環境を作ってあげること、自然の中にないもの(加工食品や調理したものやお菓子など)は食べさせないこともとても大事なことですね。
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餌(えさ)やりの量と間隔
ヒナはお腹がすくとかならず鳴きはじめます。鳴きはじめたら、満腹しておとなしくなるまでエサをあたえます。満腹になると鳴きやみます。でも、人間になれてないヒナはお腹がすいて鳴いても、こちらの顔を見るとかくれてしまいますよね。中にはこわがって鳴かないヒナもいて、満腹の状態などわかりません。そんな時には《そのう》をチェックするのが一番わかりやすく、また安全な方法です。
一回のエサの量は《そのう》がふくらむまであたえます
お腹がへっている時の「そのう」はぺしゃんこになっているから見えませんし、消化吸収が早いヒナの「そのう」は食べても食べてもあっという間にしぼんでしまいます。みつけにくいときは、たっぷりエサを食べた後に「そのう」がある辺りに軽く息を吹きかけてみると見えます。
身体はちいさくても、ヒナたちは驚くほど大食いです。元気になるとあっという間に消化して、ふくらんだと思っていても五分とたたないうちにぺちゃんこになっていることもあります。ですからたっぷり時間をかけて、すぐにしぼまなくなるまであたえるようにしましょう。急いでたくさん食べさせすぎると「そのう」が破れてしまうこともありますから、これも注意しましょう。そ嚢破裂(そのうはれつ)は鳥にとってはとても悲惨な症状です。
《そのう》がぺちゃんこになってから次のエサをあたえます
ヒナへのエサやリの間隔は《そのう》の状態を見ながらあたえるのが一番安全な方法です。はじめのうちはこまめに《そのう》をチェックして、ぺちゃんこになったら次のエサをあたえるようにします。消化や吸収にかかる時間には個体差がありますし、ちょっとした成長の差でもちがってきますから、里親さんは食べる間隔や量をしっかり覚えていくことが大事です。
ここで注意してほしいことは、「そのう」は人間の胃袋とは全くちがうということです。「そろそろ餌をあげる時間だと思って巣箱をのぞいたら、「そのう」にまだエサが残っていた。じゃぁ、もうちょっと後であげよう」・・・これではいけません。試しにヒナたちを鳴かせるか、少し動かしてあげたりしてみましょう。すると・・・「そのう」はすぐにぺちゃんこになります。
ヒナたちの身体は省エネ設計になっているので、できる限り無駄な消化をせず「そのう」にためておくのです。野生では大雨が続いたり日照りつづきでエサが不足したりと、親鳥がどうしてもエサを運べないこともあるからでしょう。でも、幸か不幸か人が育てる環境にあるのですから、成長期の大事な時期でもありますから、ケチケチ我慢をさせず、たっぷりと食べさせておきましょう。本当にお腹がいっぱいの時には、「そのう」はぺちゃんこにはなりません。
《そのう》がどうしてもわからない?
《そのう》がどうしてもわからない間は、以下の間隔であたえましょう。そして、お腹がいっぱいのような素振りが見えたら、「そのう」がある辺りに軽く息を吹きかけてみましょう。ヒナたちの健康を保つためのエサやリには「そのう」が一番わかりやすい目印になりますから、なんとしてでもみつけてあげましょう!
■ 丸裸のヒナ :できれば30分、少なくとも40〜50分
■ 羽が広がりはじめた頃から:できれば40〜50分、少なくとも1時間おき
■ 羽がほぼ生えそろったら :できれば1時間、少なくとも1時間半おき(この頃から一人餌の訓練をはじめる)
■ 羽が完全に生えそろったら:一人餌の補助としてできれば1時間半おき、少なくとも2時間おき(徐々に挿し餌の間隔をあけていく)
日の出から日没まで
野鳥たちは早起きです。お腹がすいたと鳴きつづけることにもエネルギーがいるのです。ですから、朝は鳥たちが活動をはじめる日の出の少し後にエサやリをはじめましょう。人間が育てる場合、早朝のうちにヒナがお腹をすかせて死んでしまうケースが一番多いので、十分に気をつけましょう。
夕方、日が沈みはじめてうす暗くなると、鳥たちはそれぞれのねぐらに帰ります。陽があるうちにたっぷりと食べさせ、陽が沈んでからは静かに寝せ、野生のサイクルを守ってあげることがなにより大事です。
ちょこちょこ飛びはじめるようになると、一時的に食欲が落ち、体重が減ることがあります。これは飛ぶための身体に変わる時期に起きることで、より飛びやすい身体になるために体重が落ちるのです。この頃から身体がほっそりとなり、糞もだんだん小さくなってきます。糞の回数は増えますが……。
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