ハーブたちの自己主張


乾燥を好むハーブたち

サフラン  ラベンダー  セージ

サフラン(英名:Saffran crocus)

サフランはアヤメ科の球根植物。クレオパトラの化粧品の中にも入っていたというほど歴史の古いハーブです。 球根が大きいほど花数が多いので、大きくて重いものを選びましょう。植えつけ予定地(用土)は通気、排水、水持ちもよく、堆肥、腐葉土、石灰などを入れて早めに作っておきましょう。球根の3〜4倍の深さに置き、土を半分戻してから肥料を置いて植えつけます。
8月下旬〜9月下旬が植え付けの適期、11月頃に開花し始めます。花後、葉が出てからは液肥で球根を肥大させ、葉っぱが半分くらい黄色くなった頃に掘り上げ、土を落として乾してから風通しの良い場所で保存します。地植えの場合は植えっぱなしでも結構よく咲きます。
強くて、とても育てやすいハーブのひとつで、プランターでも充分に育ちます。観葉植物の根元に植えるのもいいですね。我が家では増えた球根の半分を芝生に植え込んでいます。芝生を一部分掘り上げて球根を並べて芝生を戻し、植えっぱなしで楽しんでいます。肥料はちゃっかり芝生のおすそ分けをもらっているようで、毎年たっぷりと花を咲かせます。芝生からちょこんと顔をのぞかせた姿はとても愛らしく、冬場の楽しみになっています。

《サフランのラクチン栽培》
サフランにはちょっと変わった栽培法があります。栽培農家の方に教えていただいて以来、我が家ではそうしているのですが、球根は植えずにザルなどに並べ、転がしておくだけ。明るい室内の日陰に置いておけば、水やりも肥料もなんにもいらてない手間いらず、しかも間近で花が楽しめます。花が弱ったら早めに摘み取り、花が終わったらすぐに植え付け、肥料を与えて太らせます。(育て方参照)。これを掘り上げ、乾燥して保存……と、これを毎年繰り返すことになります。
料理などに利用できる雌しべの量は、花ひとつにか細い雌しべがたった3本・・・高価なハーブと言われる由縁です。雨などに当るとべちゃべちゃになって収穫しにくくなりますが、手許に置いておけば毎朝忘れず収穫できます。この方法は効果的ですよ。お好みの入れ物で楽しんでみて下さいね。

収穫と保存
サフランの雌しべ早ければ11月頃に花が咲きますので、花が開いた日の早朝に雌しべだけを収穫すると、花はそのまま楽しめます。雌しべはつけ根の黄色い部分を取り除き、日陰の新聞紙の上などで乾燥させます。小さく軽いので風で飛ばされないように気をつけましょう。すぐに乾きますので、小さな容器に入れて冷暗所で保存します。かなり長もちします。サフランライス、パエリア、ブイヤベース、スープに炒めものにと、たっぷり楽しんで下さいね。そうそう、サフランは染料にもなります。

メニューに戻る


ラベンダー(英名:Lavender, 仏名:Lavande)

ラベンダーは栽培が難しいといわれますが、枯れる原因のほとんどは水のやり過ぎと、繁り過ぎて蒸れるためです。ですから苗を植えつける時点で育つ育たないが決まるといっても良い程です。水はけ良く植えるのが一番のコツ。土を十分に選びましょう。
地植えする場合は水はけの良くなる用土をたっぷり鋤き込み、できるだけ周囲の地面より高い場所に植えると良いのですが、そういう場所がない場合は土を高く饅頭状に盛って植え付けるようにします。ラベンダーは定着すればかなり大株になるので、饅頭の直径も大きくしておいた方が良いでしょう。鉢植えの場合は大きめのプランターに一株づつ植え付けることをお勧めします。プランターでも水はけが良く、土がたっぷりあればかなり大株になります。日射しの強い地域では西陽が当たらない場所を選びます。
ラベンダーは寒さに強いですが、日本の蒸し暑さは苦手です。夏場に蒸れて枯れることが多いので、蒸し暑い時期、また梅雨や秋の長雨の前にはスカスカに剪定して、どの葉にも風が当るようにし、むしろ葉水に重点をおいて育てます。花がらをいつまでも付けたままにしておくと株が弱るので、こまめに花茎を付け根から切ってやります。3〜4年たって、大株になってきた頃に移植してあげるのも大事なことです。
種から育てる場合、ラベンダーには「低温処理*」が必要です。「低温処理」をしない場合、発芽率は極度に落ちます。私はピートバン(種まき専用キット)に蒔いてビニール袋に入れ、そのまま冷蔵庫に一ヶ月近く入れておきます。育てる地域の環境や品種の違いなどにもよるかもしれませんが、ラベンダーの場合は撒き土よりも「低温処理」の方が大事だと思います。

*ミニウィンドウ表示:低温処理>>>“絶対無農薬宣言

メニューに戻る


セージ(英名:Sage)

セージも過湿を嫌います。枯れる原因のほとんどは水のやり過ぎで、育て方はラベンダーに準じます。日当たりの良い場所に水はけ良く植え、鉢植えなら表面がカリカリに乾いてから、地植では植付け時以外はやりすぎないほうが良く育ちます。株間は最低70cmはとります。寒さに弱いので寒い地域では冬場に敷ワラやモミガラで根元を保護しますが、暖かくなってきたら、過湿を防ぐためにはずします。
長雨で葉が蒸れて黒ずむことがあるので梅雨前までに思いきり葉を切り透かします。花が終わった茎は早めに付け根の部分から切り取ります。セージは美しい花をいっぱいに咲かせますが、花の直後に弱りやすいので、しばらくは薄めの液費を与えます。様子を見て元気なようだったら、それから肥料を与えます。3〜4年で更新(植え替え)しましょう。

メニューに戻る


コーナーTOPへ 次へ