ホクホクの土造り


ハーブを育てていく上で土造りはなによりも大切な作業です。どんな植物でも固くて重たい土では根を張ることに必死で、元気には育ちません。せっかく育てるのだし、ハーブやお野菜にはとくに元気に、美味しく育って欲しいものですね。
ほとんどのハーブは水はけの良い、通気性の良い土を好みます。荒れ地でも育つハーブは多いですが、やはり良い土に植えてやると根張りも葉の緑も、そして味も香りも違ってきます。基本は水はけの良い土を造ること。ホクホクとやわらかい、ハーブたちが伸び伸びと育ってくれるような土造りを目指しましょう。

お薦めの用土  土造りの基本  土造りは早めが肝心
ハーブガーデンの土造り

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お薦め用土

針槐流お薦め素材(水はけ、水もち、通気性の良い用土です

有機質素材 ピートモス 保水力は抜群ですが、酸性が強いので、水を好むハーブの用土に1〜2割を上手に使いましょう。
腐葉土 いろいろな値段のものが市販されていますが品質はいろいろです。信頼できる園芸店で良い腐葉土を選んでもらいましょう。
無機質素材

 

赤玉土 小粒、中粒、大粒があり、針槐庭では中粒と大粒を使い分けています。鉢物用の中心になる土です。
日向土 九州ではどこででも売られていますが、他の地域では見かけないという噂も……。ぼら土とも呼ばれるようです。水はけ抜群の優れもの。乾燥を好むハーブには最適の軽い素材です
バーミキュライト アルカリ性が長く持続するのでハーブに最適ですが、ちとお高いです。とても美しい土なので鉢植えにも良いですね。
鹿沼土 酸性が強いため、ハーブにはあまり使いません。

土造りの基本

基本は有機質素材3対無機質素材7の割合

鉢植えの土造り
鉢植えには清潔な用土を使うことが大事です。土をケチって庭土で植えたところ、しばらくするとハーブが枯れてしまい、あきらめて土から出してみると、土の中は無気味な虫のパラダイスと化していた!キャーーー!!!・・・震え上がるような経験でした。みなさん、ご注意ください。
日向土やバーミキュライトは水はけがよくなるばかりでなく、とても軽いので鉢物に最適です。とくにバーミキュライトは石灰不足を補うのでアルカリを好むハーブには最適な上、光沢があってきれいなので土までお洒落になります。針槐流は赤玉土の大、中粒や日向土の中粒を多用します。粒の大きな土を用いることで根詰まりを起しにくくなるし、植替え期間も長く保てるようです。古土のリサイクル時にも効果的です。

水分を好むタイプや肥沃な土を好むタイプの場合は有機質素材を4割にします。水やりさえしっかりすれば基本の土造りで十分ですが、それでも不安だという方にはピートモスをお勧めします。ピートモスは軽いのて鉢物には最適ですが、風で飛んでしまうので表面を赤玉土の大粒や水苔で覆います。これは土の乾燥防止にもなります。ピートモスは酸性が強いので石灰を混ぜ込みます。
また、水やりの手間を省くには塗り物の鉢やプラスッチックの鉢を使うと良いでしょう。
・ゴージャスコース:腐葉土2、ピートモス2、赤玉(大)4、 バーミキュライト2
・エコノミーコース:腐葉土4、赤玉(大)2、赤玉(中)2

乾燥を好むタイプの場合は日向土やバーミキュライトを多用して、とにかく水はけをよくします。赤玉土は使う前にふるいで細粒を落とした方が効果的です。また、通気性の良い素焼きの鉢や紙製の鉢などに植えることで過湿を防ぎ、根草れ防止にもなります。
・ゴージャスコース:腐葉土3、赤玉土4、バーミキュライト3
・エコノミーコース:腐葉土3、赤玉(大)3、赤玉(中)2、日向土(中)2

土造りは早めが肝心

鉢物用土は早めに造って寝かせることをお薦めします。それも、早ければ早い程よく、気長に半年くらいかけて土造りをしておけば、この土で育つ植物は元気いっぱいで丈夫で、とにかく勢いが違います。
ふた付きの発泡スチロールの大箱を用意し、底穴は開けずに土を入れます。久しぶりに開けた時に虫だらけというのは嫌なので、やはり土は清潔な新しいものを使います。針槐流では赤玉の大、中7に腐葉土3と消石灰をうっすらと入れます。この中に自家製堆肥(あるいは堆肥と油粕を適量)を用土の三分の一くらい埋め込み、全体が湿るくらいに水をやります。ふたをして日陰で半年くらい寝かせます。乾いてしまわないようにたまに水をやり、半年後、植え付ける植物に合わせて日向土やバーミキュライト、ピートモスを混ぜて植え付けます。
稲ワラやモミ殻などが手に入るなら、ぜひ手に入れて(ワラは短く切って)混ぜ込んでください。保水効果の高いより上質の土になり、水を好む植物に最適の栄養満点のフカフカ、ホクホクの肥えた土の出来上がりです。私は、生まれて初めて土を美しいと思いました。この土に乾燥を好む植物を植える場合には日向土やバーミキュライトをたっぷりと足しますが、やはり喜こび方が違います。花菖蒲は造ってすぐの用土に植えたものより20cmも大きく育っています。
こうして長い時間をかけて造った土は森の匂いとわたのような手触りをもっています。一度造ってしまうと病みつきになりますよ。土造りにかかる時間は同じ、早くやるか後でやるかの違いだけです。ぜひ、やってみてください。たくさん造れば置き場所の問題もでてきますが、わが家では黒く塗った発泡スチロールの箱に不織布を掛けて花台にしています。
発泡スチロールの環境ホルモンがちょい気になっていますが、今のところ代替品が思いつきません。良いアイデアをお持ちの方は教えてくださいね。


ハーブガーデンの土造り

水分を好むタイプを植える場合は鉢物と同じように腐葉土やピートモス、堆肥を多めに混ぜ込みます。地面よりあまり高くない低い花壇が良いですね。
乾燥を好むタイプを植える場合、なによりも深く耕して水はけを良くすることが大事です。最低5〜60cmは掘り起こし、腐葉土、日向土、牛糞か鶏糞(あれば自家製堆肥)と石灰を加え、底から三分の二の深さまでよく耕します。最後に残った土を戻して耕します。深くまで水はけをよくするのがコツです。
庭守RITZ流では一平米あたり腐葉土、日向土、バーミキュライトをバケツ三杯づつと多めの石灰を入れ、自家製堆肥をまんべんなく埋め込んで長く寝かせたので、ほくほくの土になりました。ラベンダーやセージなど地中海沿岸出身のハーブを植える場合にはバーミキュライトをたっぷり入れておくと効果的です。


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