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我輩はグッチである


若かりし日のグッチ
この頃には確かに眉毛があった!

 

大きな怖い生き物

グッチの独り言

眼が覚めると暖ったかかった。お母さんみたいではないけど、暖ったかくて、気持ちが良くてまた眠った。

お腹が好いて眼が覚めた。お母さんを呼んだ。一生懸命呼んだ。そうすると、また昨日の大きなものが伸びてきて、私を掴み上げ、目の前には大きな怖い生き物の顔がにゅ〜っと。
「助けてー、助けてー」と鳴いていたら、怖い生き物は美味しいものをくれた。美味しくて、美味しくて、お腹がいっぱいになって、また眠った。

RITZの独り言

子猫を拾った帰り道、私は腹が立ってならなかった。こんなひ弱な命を雪の日に、しかも妙な冗談で三味線なんぞの看板の下に捨てるなんて……。
途中素肌で直に暖まるようにしたものの、子猫はだんだん冷たくなっていく。絶対に死なせるものか!人間はバカばかりじゃないんだ!
部屋に帰り着いた頃には子猫は冷えきっていて動きもしない。とりあえず牛乳を暖め、卵の黄味と蜂蜜を溶かしてコットンに含ませ、口を開かせて流し込むが飲み込む力もなく少ししか入らない。再び胸元に入れて必死で摩り続け、牛乳も与え続けた。
早朝、子猫の鳴く声で眼が覚めた。

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