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RITZの闘う猫車


ちょんの字と遊んでばかりいた7月。ちょんの字のいない淋しさと雨に閉じ込められた8月。二ヶ月間放りっぱなしだった庭は雑草だらけ、伸び放題の枯れ放題。三年半、手塩にかけて造り上げてきた庭の寂れ様を眺めると、ちいさなすずめの大きな存在感が胸を打つ。そして、9月が始まる。


“撮れなかった無気味な光景”/10.Sep.'99


登場する仲間たち


●9月1日(水) 雨のち曇り/闘うRITZ、リ・スタート!
 手始めは“幼い木たちの庭”。雨ばかりの夏に泣いたもの、これ幸いとすくすく育ったものといろいろだが、幼い木たちはそれぞれがひとまわり大きく育っていた。特に目を引くのは招霊(おがたま)の木。三年前に神社で買った時にはわずか20cm。「大きくなったらハンモックを吊るすの!」などと真顔で皆を笑わせたものだった。この夏めきめき伸びて2mを越した。
 伸び放題の黄金葉こでまり、車輪梅、金銀木、雪柳を軽く剪定。百日紅は雨の間に盛りを過ぎてしまい、西洋にんじん木、萩、野ボタンがこれからというところ。地面に向かってUターンしていたしだれ桃をなんとか立たせ、雑草を抜いたところでギブアップ。切った枝と雑草で小山ができた。


●9月2日(木) 曇り時々晴れ/Very very goodなバジルペースト
 昨日の久々の庭仕事で、今朝から足腰がぎくしゃく。どうやらすっかり身体が鈍っているらしい。で、今日はお休みにして、雨で収穫が遅れ、ついに花盛りとなったバジルでペースト作り。葉が固くなって香りも強いので、今回は松の実をいつもの倍。赤唐辛子は間に合わず、青唐辛子を入れた。半分には実験的に花穂も入れて作ってみたが、たいした差はなかった。美味しくできて大満足。


●9月3日(金) 曇りのち夜は土砂降り/草木灰とヒーリング
 一旦鈍った身体はなかなか追い付いて来ない。で、今日はのんびりと草木灰作り。
 荒れ地のどまん中に陣取って、一昨日山となった木切れや雑草を燃やす。もちろん、めらめらと炎を立ち上げないことが肝心。そこで今日は、芝刈り後の溜まり溜まっていた枯れた芝草が大いに役立った。
 枯れた芝草は炎を立てずにじわっと焦げていく。しかも、なかなか火が消えない。炎が大きく立ち上がる度に、少しづつ芝草を上に乗せると、完璧な蒸し焼き状態になる。これなら、わざわざ穴を掘ることもない!と、また1つ得した気分。
 最後はひたすら芝草だけを燃やした。片手の団扇でゆるい風を送りながら、片手の棒で時々掻き回す。曇り空の下、風は心地よく、目はひたすら海を眺め、耳はひたすらすずめたちの鳴き声に集中する。5時過ぎにちょんの字らしき鳴き声が近付いたり遠退いたり。よーく聞いていると、あれはおチビさんの方だと分かった。すこしがっかり、少し嬉しい気分。幸せなヒーリングタイム。お芋でも入れておけば良かったと、後で後悔した。


●9月4日(土) 曇りのち雨/鳥の餌にも農薬……
 雨に閉じ込められて、久々にネット・サーフィンなど楽しむ。が、ちょんの字を保護した頃から通っている「すずめの学校」の掲示板で気になる投稿をみつけた。飼っていた白文鳥に悪性の腫瘍ができて、あっという間に膨らんで死んでしまったという。医者によると、餌に含まれた農薬が原因で、決して珍しいことではないと…。「作る過程の農薬等ぜんぜん表にでないので、選ぶ余地のないことが少し悔しかったです。自然の中で自然に生き、自然に死んでいく事が得難い幸福に思えます。」ともあった。あのちいさな身体に蓄積する農薬…想像するだけで、私は愕然とした。
 ペットフードにも無農薬の波、などという記事を読んだことがあるが、人が食べるものでさえいまだに農薬が使われている時代に、鳥の餌にまで無農薬を望むのは無理なのだろうか。
 かく言う私も以前は庭で農薬を使っていた。自分たちが口にしない観賞用の植物などに。でも、ちょんの字と出会ってからはやめた。いかに身勝手な行為であったか、いかに危険なことをしていたか、ちいさなちょんの字が気付かせてくれた。でも、こういうことに気付くチャンスというのも滅多にないことなのかもしれない。
 そういう思いで“絶対無農薬宣言!”を始めた。少しでも多くの人たちに気付いてもらいたいと、何もしないよりはマシかと…。鳥の餌の生産者の方たちにも、是非見ていただきたいと思う。本当に、ちょんの字はたくさんのことを教えてくれた。


●9月5日(日) 雨/ちいさな命
 “絶対無農薬宣言!”はなかなか好評のようで、たくさんの方から応援や質問のメールをいただいた。読んでいると説明不足も多いと気付き、雨の今日はサイトの更新や追加情報に明け暮れた。
 最後に日課にしている「すずめの学校」の掲示板のレスキューチェックに行くと、今度は保護されたヤマセミが死んでしまったというコメント。いろんな鳥を保護して育てている方だっただけに、野生の生き物の保護がいかに難しいか、一生懸命育てたあとに一体何が残るのか…と、いろんなことを考えた。
 野鳥の保護はある意味で自然への挑戦かもしれない。保護団体が主張するように、やはり弱いものは淘汰されるのが自然の法則なのかもしれない。でも、たくさんの人が一生懸命、その弱い命を繋げようと努力している。そのお陰でたくさんの鳥たちが大空に戻ったり、家族の一員として幸せにちいさな命を繋げている。ちょんの字もその中の一羽だった。
 私は、やはり自分を信じていくことにした。無闇に介入はしない。でも、保護しなければ死ぬという場合には保護しよう。ヤマセミの死や他のたくさんの保護された鳥たちの傷ましい死を、経験として、ひとつの事例として生かしてあげるべきだと思う。そうすることで、これからより多くのちいさな命が繋げられるのではないだろうか。


●9月7日(火) 豪雨/大胆なキツネの嫁入り
 今日で13日降り続けている雨。ちょんお字やすずめたちが餌にありついているのかとの心配もあったけれど、雨は雨でいろんな雨があることを発見!
 昨日の午後の雨は凄かった。いわゆる「天気雨」とか「キツネの嫁入り」。空には真っ黒で重たそうな雨雲と時折光る稲妻と、空色に澄んだ青空。そして地上には音を立てて降り注ぐ雨とキラキラと降り注ぐ午後の陽光!生まれて始めてみる魔法のような空と雨に、車を止めしばし見入った。
 雨に閉じ込められてだんだんすることも無くなり、昨日一枚、今日一枚と風呂場のブラインド磨き。羽を一枚一枚磨いてピッカピカ〜!
 「雨が続くと家の中がきれいになるねぇ」と喜ぶのは菊の字(姑の菊ちゃん)、私が“磨き”に熱中していた間に、草むしりついでにコモン・セージを抜いてくれた〜(涙)。たて続きの長雨で弱っていたので、必死に介抱していた一株だった。バジル、コットン、パプリカ、そしてセージ、次は何を引っこ抜いてくれることやら…?海に向かって「うお〜〜〜!」と吠えて、雨を恨むことにした。


●9月8日(水) 快晴/日が短くなってきた…?
 二週間ぶりにようやく晴れて、雨はひと粒も降らなかった。さっと済ませてから庭へ出ようと、風呂磨きの仕上げに取りかかった。ここも、あそこも、ついでにあれも、、、一日が終わった!?
 おチビさんは相変わらずテラスの辺りをちょろちょろしているので、私の呼び声を忘れずに返事をしてくれている。だけど、ちょんの字は…?ずっと庭にも出てないので私の声など忘れてしまったかもしれない。憎っくき雨、もう降るなよ〜!


●9月9日(木) 晴れのち曇り/問題は先まわし!
 およそ一週間ぶりの庭での作業。暴風で支えが外れて、斜めに傾いたレモンユーカリやひまわり、コスモスに支えをし直した。残る難題は巨大に育って二本のオリーブに覆いかぶさっているメドゥセージとメキシカンセージの一群れ。メドゥセージの蜜の甘い香りに誘われて、凄い数の蜂が飛び回っているのだ。どうやって近付くか、、、これが問題だ。
 作業の合間合間にあちこちからにょきにょきと顔を出している葛を引っこ抜く。葛やモグラとの闘いが絶えないハーブ並木だが、それぞれの木や間のラベンダーがかなり育ってきたので、去年ほどの被害はない。ずっと庭にも出てないので私の声など忘れてしまったかもしれない。憎っくき雨、もう降るなよ〜!


●9月10日(金) 撮れなかった無気味な光景

 13日続けて雨、2日降らずに今日も雨、明日もまた雨だという。う〜〜〜、溶けて流れる。。ちょんの字の最後の写真でもアップするか、、、。

 夕刻、突然台風級の暴風が吹き荒れ、続いて窓を揺らすほどに叩きつける雨、重く垂れ込めた雲の中を奔り回る稲妻。。風、雨、雷のフルボリュームの三重奏が家を震わせた。。そして20分後、すべてがピタリと治まり、
 そよとも風の吹かない海辺、、、。
 暗い雲の西の果のわずかな切れ目から妙に黄色い陽が差し込んできて、庭はペンキを塗りたくったような黄緑一色に染まり、海も空も雲も黄砂に覆われたように一面黄色く、微動だにしない一枚の絵のように、無気味な光景が広がっていた。
 自然は、時には奇妙なものを見せてくれる。が、写真には治まらなかった。


●9月11日(土) 雨のち曇/魅惑のトンネル…!?
 雨上がりにハーブ並木の草むしり。雨であまり外に出ないから、足音もなく、モグラたちには安心なのだろう。今日も元気に駆けずり回った痕跡を発見。土が濡れているから明日にしよう、明日に…と思いつつ、モグラのトンネルに引き寄せられてしまった。。魅惑のトンネル…!?
 モグラの通り道に手首まで突っ込み、トンネルに沿って土を崩していく。モグラのわんぱくぶりは悔しいが、この作業はなかなか面白い!晴れて土が乾燥しているともっと楽しいのだが、今日は誘惑に負けた。トンネルはガマズミ、マグノリアなどの幼木たちやラベンダー、マリーゴールドの根を避けてくねくねと、延々と海に向かっている。
 やがて菩提樹を回り込み、ちいさなマートルの根を痛めつけ、レモンユーカリを大幅に避けて、月桂樹へ。桃の木を過ぎ、ラベンダーを傾かせ、百合の球根も放り出してある。モグラ除けに植えたはずの彼岸花たちはどこへいったのだろうと考える。姿が見えない…が、モグラの仕業か?エルダーに近付いたところで終点。空き地に抜ける様子。ゆうに15mを越えるトンネルだった!これは最長記録。そして私は、全身泥まみれ。また、菊の字に叱られる。。


●9月13日(月) 曇時々晴れ/茶庭でおチビさんと
 茶庭にいると、すぐ傍の枝垂れ柳でおチビさんの鳴き声。草取りや剪定をしながらずっと呼び掛ける。おチビさんもちょこちょこ移動しながら、ずっと元気に返事を返してくれる。
 茶庭では紫式部の実やワレモコウが色づき始め、秋に植えた南天、風船カズラもたくさん実を付けている。うき釣り草が咲き始め、さざんかは蕾を膨らませている。
 午後、裏のみかん畑で薬を散布していた。どんな薬を撒いているのだろう。この頃はものすごい数のすずめたちがみかん畑で遊んでいるというのに。あの中にはちょんの字もいるのに。もっと広く、もっと早く、有機の無農薬栽培が普及してくれることを願わずにはいられない。


●9月14日(火) 曇時々晴れ/ごくちいさな台風16号接近中
 今日はハーブ並木にワンサカと押し寄せてくるツタ、カズラ、山芋のツル、野生の朝顔のツルを退治。早い話が草刈りなのだけど、急斜面で足場が悪い上に、そこはかつて“まむし谷”と呼ばれた場所!履き慣れない長靴は滑るし、蜘蛛の巣だらけ。途中、ゴム長の上にちろりと見える尻尾に息を呑んだが、草薮から逃げ出して私の長靴の上で一息付いているトカゲだった。
 やり出したら止まらない私、心の中で「誰か、止めて〜!」と叫びながらも黙々と、延々と、やはりやり遂げてしまった。明日は休むぞ〜!
 *茶色の部分は私が頑張った後、ずっと海まで続くのであった。→


●9月15日(水) 晴れ/猫の手よりも人の手!?
 朝から腰がぎくしゃく、今日はダメだと怠けていたら、明日からはまた雨が続くという天気予報。やり場の無い唸り声を発しながら、よたよたと芝刈りに取りかかる。
 例年ならこの時期は10日置きに芝を刈る。なのに、雨の所為で今年は毎回一ヶ月以上の間が空いている。伸び過ぎた芝を刈った後は惨めに茶色のスポットができる。だけど、肥料が少なかった分、水だけはたっぷりだったので以外にも芝は元気な状態。すぐに緑一色に戻りそうな気配。
 しかし、八分めでギブアップ、刈りたての芝生にダウン。。残りは珍しくダンナがやることに。で、思わずトロトロと半睡…。「終わったぞ」という声に起き上がってみると、、見ると、、
 下手くそ〜!虎刈り〜!真っ茶色!頭を流れる様々な罵声を呑み込み、「お疲れさん!」(^^;)。猫の手よりも人の手、引き攣る腰の痛みには代えられない。ちょっとずつ、気長に仕込むことにした。


●9月16日(木) 曇時々雨/秋の気配……
 今日は「お泊まり」のつもりで、パジャマと歯ブラシを持って福岡へ出かけた。仕事が終わると(さて、宴会か?)、皆そそくさと帰っていく。なんで?と思っていると「帰るぞ!なにボーッとしてんの?」ですと。お泊りは明日の事だった。はぁ〜、情けない。。
 だが、がっくり気分を吹っ飛ばすために、久々にサボって映画でも見よう!という事になり、ウキウキかつコソコソと映画館めがけて車を走らせた・・・のだが、途中、眼鏡を忘れたことに気付き、すごすごと家路を辿った。サングラスでは映画も見にくい上に、帰り道の長いドライブもしんどいことになる。家に着くと、眼鏡は玄関の絶対に目立つ場所に置いてあった…。
 蒔こう蒔こうと思いながら、既に一週間ほども忘れっぱなしのロケットの種、出そう出そうと思いながらずっとテーブルの上にある手紙、取ろう取ろうと思っていながらだんだん精巧になりつつある蜘蛛の巣。頭の中を秋風が吹き抜けていく、、、。


●9月18日(土) 曇時々晴れ/離れ小島へ小旅行
 金曜から一泊で長崎の離れ小島、崎戸島へ。フェリーを降りて、更に橋を二つ渡った三つめの島だ。強い潮風と荒海に囲まれた島では、友人がペンションをやっている。夕方頃から宴が始まり、懐かしい昔話しに花が咲き、友人夫婦の健康かつ意欲的な顔を横目に、私はといえば新鮮な石鯛やロブスターの刺身や御自慢の料理に舌鼓を打つばかりだった。
 食べては呑み、呑んでは語り、やがて友人の友人までやってきて、ギター演奏なども始まっておおいに盛り上がった。酔った勢いで「10月のライブにゲストで出てくれる?」「よっしゃ!」などと、いらぬ約束までしてしまったのが少々気になるところではある。
友人ちのペンションのサイト:http://member.nifty.ne.jp/SAKURA_SAKITO/


●9月20日(月) 曇時々晴れ/針槐と芝生の協力関係!
 たて続きに出かけたのと飲み過ぎで日曜は一日ダウン。今日は元気に先週やリ残していた芝刈りの続き。雨で芝が伸びすぎて芝刈り機では刈れなかった部分を、バリカンで刈っていく。途中、芝生の縁に小さな針槐を発見!花も咲いていないのに…と思いつつ少し掘ってみると、なんと伸びた根っこから新しい芽が出ていたのだった。針槐からは3m近く離れているのに。。
 針槐の根は地下の浅いところを這うので強風で倒れやすいと聞いていたが、ほんとに恐ろしく浅いところを這っていた。でも元気な芝生が押えていてくれるから、少々の風は大丈夫だろう。とくに針槐の周辺は針槐が根から出す窒素のお陰で芝の生育が極端に早く、目も詰まっていて緑の色も濃い。見事に助け合って、綺麗な芝生の庭を作ってくれているのだと感動!


●9月21日(火) 雨時々曇/ちょんの字だぁ〜〜〜!
 雨の合間を縫ってバリカン作業の続き。たった一週間だというのに、芝刈り機で刈った部分が早くも伸びてきている。ダンナの「トラ刈り」もなんとか修復した。仕上げに肥料をたっぷり撒いた。一週間もして、芝がもう少し伸びたら、再度刈って、目土を入れる予定。
 道具を片付けてのんびりコーヒーを飲んでいると、裏のみかん畑が妙に騒がしい。覗いてみると、軽く百を越すすずめ団体が立ち並んだみかんの木々を覆い尽くさんばかり。最近農薬を撒いていたことが気になりながらも呼びかけてみると、みかん畑中のすずめたちが一斉に逃げた!!!
 なんで〜と嘆いていると、ちょこちょこと戻ってくるものもいる。めげずに呼びかけていると、あれ、あれっ、1羽だけ寄ってくるすずめ発見。更に呼びかけていると、だんだんと近付いて、傍の電柱に来て止まった。ちょんの字だぁ〜〜〜!間違いない。
 久しぶりの再開に全身が熱くなった。すぐに10羽くらいのすずめが飛んでてきて、あっという間にちょんの字を連れ去ったけど、首筋にちょんの字の熱い体温を感じて、さっきまで肩に止まっていたような気がした。思わず、「明日もおいでー!」と大声で叫んだら、みかん畑のすずめがぜーんぶいなくなった。


●9月22日(水) 曇のち雨/前途多難
 ハマキムシにやられて丸坊主になっていたドッグローズ、ようやく葉が繁ってきたと思っていたら、なんと、早くもハマキムシだらけ。雨が降るようなので自然農薬も撒けず、2時間かけて念入りに退治したが、楽しみにしていた秋の開花は望めそうにもない。針槐も軽く剪定してみたが、強風続きの所為でかなり痛んでいる。
 ようやく雨があがって、庭の修復に取りかかったばかりだというのに、今度は大型の台風18号が来るという。明日は外回りを片付けるだけで終わってしまうだろう。メドゥセージととメキシカンセージに押しつぶされたままのオリーブ2株、タイムに根元を覆われて喘いでいるラベンダー、巨大になった赤シソの下敷きになったままのラムズイヤー、どうか生き延びておくれ!!


●9月23日(木) 秋晴れのち台風/野鳥と台風
 「ごくちいさな台風16号」の後には「近年稀に見る大型台風18号」のお出まし。。しかも、長崎は直撃されるという噂。慌てて備えをして、台風への準備は万端!!
 午前0時、風が激しくなって不安でたまらない。ちょんの字、おチビさん、たくさんのすずめや野鳥たち、彼等は台風をどうやってやり過ごすのだろう…。小型の台風級の日に落ちていたちょんの字を思い出す。雨に濡れて冷えきって、死んだように動くことも、震えることさえできなかった。
 でも、野鳥だ。野の鳥だ。彼等の強さを信じることにしよう。。みんな、無事でいて!!!


●9月24日(金) 台風のち曇り/人間って、捨てたモンじゃない!!
 昨夜、初めて台風に遭うちょんの字が心配のあまり、いくつかの掲示板に「ちょんの字に励ましの念力を送って!」と書いた。一夜明けてみると台風は過ぎ去った後。針槐が一枝、しだれ柳の太い枝が2本折れていて、萩が重傷かも…というくらいで済んだ様子。昼前にはすっかり風雨も治まって、予定通り福岡まで仕事で出かけた。
 仕事から帰って掲示板を覗いてみると、いろんな「念力」がたくさん届いていた!ちょんの字を保護した数日の間に、たくさんのアドバイスや応援のコメントを貰った時の感動が蘇る。面白おかしいコメントの裏に見え隠れする温かなメッセージに、笑いながらも涙が滲む。姿形が見えない人たちの、優しい温もりを感じる。ちょんの字はきっと元気でいると信じることができた。。人間って、捨てたモンじゃない!!


●9月25日(土) 晴/ハーブティーで釣り上げたもの
 一階の壁かた天井まで、ついに、びっしりとカビが発生!!やむなく業者を呼んで大掃除となった。年輩の気の良いおじさんが二人、まだ逞しさの残る爺さまが二人、気になってならないくらい細々とした爺さまが一人。休憩時に出した美味しいハーブティーやお酢のジュースに感動してくれて、床のワックス掛け、蜘蛛の巣取り、じゅうたんのシミ抜き、テラスの掃除とサービスの嵐!!ラッキーであった(^^)
 夕方には新品のテレビが到着。雷が壊したテレビは惜しいけど、綺麗な画像にニコニコ顔になる。しばらくは映画三昧の夜が続きそうだ。。


●9月28日(火) 晴/台風の後始末
 三日がかりで台風の後片付け。室内に取り込んだものを外へ出し、外で飛ばないようにまとめたものを元の位置に戻す。腰が軋む。早速現れたおチビさんの返事に胸をなで下ろし、ちょんの字を探してみるが、今日までのところは姿を見かけない。でも、そのうち会えるだろう。
 萩はあちこち折れて完璧に倒れていて、三分の一しか生き残らなかった。。レモンユーカリはかなり傾いてはいたが、立て直してなんとか元気な様子。ゆうにImを越えていたレモングラスは幽霊のように家に向かって傾いているが、株張りが直径40cm以上に大きくなっていて手の施し様がない状態。昨夜、月明かりの中に浮かび上がるその姿は、無気味の一言だった。。映画「らせん」の怖いシーンを思い出した。


●9月29日(水) 晴/先人の知恵は聞くべし!
 半月ぶりの芝刈り。長崎の気候ではまだまだ育ち盛り。ずいぶん伸びていたが、二週間という間隔なので今回はきれいに仕上がりそう。でも、雨で土が洗われて芝はブカブカ状態になっているので、今回は目土を入れた方が良いようだ。例年なら目土は春先にたっぷり、梅雨明けに軽く入れておしまいなのだが、今年は雨だらけで刈り込みもできず、肥料もほとんどやっていない。肥料もそろそろ効かなくなる時期だし、冬越しに備えて、目土だけでも与えておこうと思う。針槐のためにも…。
 根が浅いところを走る針槐、風の当らない場所に植えるべき木であった。この頃になって気付いたのだが、針槐を風の当らない場所に植えるという根拠は、根が浅いというだけでなく、風で葉が痛むということにもあるようだ。大きくなるに連れ刺も鋭くなって、自身の刺で葉や枝を傷めるからなのだ。先人の知恵は守るべしという教訓を得た!が、時すでに遅し…。
 先人の知恵を無視したお陰で、今はずたボロの針槐。。ただ、いつも見える場所に植えたかっただけなのに。。芽出しの黄金色、初期の浅い緑、しなやかな樹形をいつも見ていたかっただけなのに…。だけど、私は闘う! 芝生と針槐の共生関係の中に一枚加わって、私は私のできることをすることにしよう!!


●9月30日(木) 晴/愛車でゴミ出し
 芝生の目土を買わねば…と思っていたところへ園芸店の安売りのチラシ! すわ、土を買いに走る。
 猫車も頑張っているけれど、わが家の愛車もガーデニングには貢献している。広い荷台はもっぱら土や堆肥など、庭づくりの必需品で埋まることが多い。時には百を越すポット苗を運ぶこともある。間引き苗を処分することができない私は、種まきの度にすごい数の苗を作ってしまう。御近所や友人に配っても有り余る苗、この頃は近くの養老院に持っていく。ちいさくて元気な苗はとても喜ばれる。
 庭造りを始めた頃には安い土を求めて走り回ったものだった。週に二日はゴミも積む。田舎暮しを始めてなによりも驚いたことなのだが、ゴミ出しにも車で行かねばならない。。牛糞を道連れに旅をしたこともあった。荷台から降ろすのを忘れたまま、はるばる天草や北九州まで行ってしまった。文句も言わずに耐えてくれる愛車である。今日、洗ってやった。


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