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RITZの闘う猫車

登場する仲間たち


今年の梅雨も雨三昧。しかも連日連夜の暴風豪雨で庭はひどい有り様。この夏は小さな居候鳥もいないことだし、台風シーズンに入る前に庭守RITZの復活だ!雨に閉じ込められていた間は幸運にも仕事が忙しく、そわそわと庭を眺める時間もなかったことが救いだったかもしれない。



●7月17日(火) 豪雨のち曇 / 小さな命の大きな力
土砂降りの合間を縫って、芽生えたまま移植するチャンスのなかったシマ唐辛子を移植。チリンチリンと音がして、お隣からはファーブル君も外に出てきた。いつも外に出るタイミングが同じなので、つい笑ってしまう。
曇り空にはいつもの探検ルックではなく、軽装でのお出まし。ひとしきり唐辛子の質問をした後、「これも一緒に育てようねっ」と心強い言葉を残して裏のみかん畑へ。私はホッと一安心。なにせ、このところのお気に入りは、蚊の幼虫をみつけてきては、せっせと我が家の水がめに住まわせることだったから……。しばらくするとニコニコと戻ってきて、小さな掌にはセミの幼虫が握られていた。
8時頃、セミが羽化するという知らせにカメラを引っつかんでGONZOと一緒にお隣へ駆けつけた。カーテンには羽化しはじめたセミが三匹……セミはなんと数えるのだろう!?……二つは早くも縮んだ羽部分が見え始めていた。もうひとつ、何度もカーテンから落ちたというドジなセミは背中に割れ目が入りはじめたところ。それをターゲットにGONZOはカメラを向けた。RITZとファーブル君は「あれが動いた!」「こっちの羽が出た!」とリビングをうろうろ。
ファーブル・ママにビールなどご馳走になりながら観察すること1時間、思いっきり体を反らせて、今にも落っこちるのではないかと心配させたセミは、渾身の力を振り絞って徐々に体勢を戻し、見事にお尻を殻から抜いた。鮮やかな緑の肢のように見えた羽は徐々に乾いて開きはじめ、やがて薄い緑の羽になった。頑張ったセミの幼虫たちは、見事にセミになった。
小さな命の見せる大きな力に、自然の作り出した奇跡のような瞬間に、大きな感動をもらった。ただひとつ心配なのは、何度か間違ってたいたフラッシュ。セミのつぶらな複眼は傷まなかっただろうか……!?


●7月18日(水) あっ晴れ / トゲ・トゲ・トゲ
♪春を愛する人は、心清き人〜♪って、そんな歌もあったけど、♪バラを愛する人は、とってもマゾヒスト〜♪って歌はない。どうして……?
美しい花にはトゲがあり、美しいバラにもトゲがある。ちなみに針槐にもトゲがある。三年間大事にしているドッグ・ローズにもトゲがある。じつは、私は“美しくてトゲがある”植物も人間も嫌いだ。「大事にしてるのに刺すなよ〜」と言いたくなるからだ。なのに、育ててみたい!と思ったもののほとんどにはトゲがあるのだ。なして?ど〜して?
ま、こんなことは突き詰めてもすでに愛しているのだから詮無いことで、肝心なのは彼らとの対処法。「手入れしやすようにトゲは取っておくといいですね」な〜んて書いてある本を読むと無性に腹が立つ。「必要だからあるんでしょ〜が〜」と言いたくなる。でも、トゲは痛いのよ・・・ど〜して?
と、まざ、こんなことを考えながら、今日のわずかの庭仕事は薔薇と針槐のお手入れでした。


●7月20日(金) 晴 / 今日から夏休み…!
三連休、のんびり本でも読んで過ごすか……と思っていたら、子供たちは今日から夏休みだとか。朝早くから針槐の木陰には子供達がごろごろ。。芝生の上には虫取り網、虫カゴ、水筒や帽子がゴロゴロ。。我が家は……公園かい??なんとなく忙しくなりそうな予感。。。


●7月25日(火) 晴 / CUT!
訃報続きの慌ただしい日々が過ぎ、身体は動いていても、心はぼんやり彷徨ってしまう。気分転換に庭仕事でもしたら……と言われ庭に出て、目についたのは伸び放題でからみ合った西洋ニンジン木と萩。
CUT! CUT! CUT! 沸き上がってくる思い出をCUT! 疎遠の後悔をCUT! 萩は風で倒れかけて、ニンジン木に寄り添っている。ニンジン木は固い枝を伸ばして萩を支えているように見える。どんなときにも支えてくれる家族がいることに感謝しよう。遠く離れていても、見守っていてくれる友がいることに感謝しよう。そして、こうして健康であることに感謝しよう。


●7月26日(木) 晴 / 葛退治
暑い。だるい。クーラーがなく海の家同然の昼間の我が家では、風向きによっては庭の方が涼しいこともある。今日は葛にぐるぐる巻きにされて見えなくなってしまった木たちのレスキューに出動。
それにしても、葛ってヤツは、植物よりも動物に近いもののように思えてならない。どうしても意志があるもののように思えるのだ。例えて言えば、アメーバー状の異星から来たエイリアン!ちょっと目を離すと、ぞわぞわと空き地からほふく前進で忍び寄り、こっそりと触手のようなつるを伸ばす。「なにか巻き付くものはありませんかぁ〜」と……。
太い葛、細い山芋のつる、インディー・ジョーンズのムチさばきを思わせる手並みで、ガマズミやマグノリアの細い枝々をぐるぐる巻きに締め上げ、這いのぼり、被いかぶさり、あつかましくも花まで咲かせている!さらに、中空にまで触手を伸ばし、風に揺れる枝垂れ柳の枝先を捕らえ、ナント!柳にまでも這いのぼろうという魂胆!ぬぬっ、許すまじ〜。。
からみ合いもつれ合って頑なに枝にしがみつき、必死の抵抗を試みる葛は重い。庭先でセミを追うファーブル軍団を呼び寄せると、大喜びで、うんしょ、うんしょとつるを引っぱる。結構使える……と庭守はにんまり。葛を空き地に押しやって、あとは大きな剪定ハサミでざくざくを草を刈り、とてもきれいになった。
作業のあと、ご褒美のミニビール片手に今日の成果を眺めながら、庭守は思う。先住者は葛の方で、地下深くを太い根っこが這い回っているところに木を植えたのは庭守の方なのだ。土の中ではモグラ君たちが陽気に走り回っている様子……なんてこったい。。それでも木たちは確実に成長を続けている。しかし、よくここまで放っておいたものだ……と(^^;


●7月28日(土) 晴 / 海の家の定義……!?
昨日は“小さな木たちの庭”で除草と剪定、今日は一目散に芝刈りに励んだ。このところ真面目に刈り込みを続けているので、芝生は真緑!絶好調!「うちの手入不足が目立つから、あんまり綺麗にしないでぇ〜」とファーブル・ママが駆けつけてきた。夜には心地よい芝生の上で、ファーブル家と星空を眺めながらの酒盛りとなった。
海辺の特権……とでも言うか、陽が翳りはじめると海が冷却装置の役目を果たし、一気に気温が下がる。夜の庭はたまらないほど心地よい。梅雨の終わり頃から寒くなる頃までは、庭で過ごす夜が多い。風がなくても、空気が冷たく、夜露もたっぷりと降りてくる。寝苦しい夜もない。この夜の恵みをよりたっぷりと味わうために、我が家にはクーラーがない。
私はよく、我が家の事を“海の家”と呼んでいるのだけど、今日、こんなメールが届いた。「水着で過ごして、暑くてたまらなくなったらあの海に飛び込んでいるのかな?浮き輪をつけて、ぷかぷか浮いて、空を見ていたら極楽じゃ(^o^)」……そうなのだ!そういう環境に住んでいるのだ!ファーブル一家は、まさにそれをやっているのだ!では、我が家は……?
半地下の昼なお涼しい場所を事務所として確保したGONZO&事務所の居候グッチ婆さんはアセモも知らずに一日を仕事に&惰眠に費やしている。そして、泳げないRITZは、日がな麦茶やアイスハーブティーを作り、家中の窓を開け放ち、涼しい場所を追って庭の木陰へと走り出るのだ。そこでは……たくさんの仕事が待っている。一方、猫のように涼しい場所をみつけては安らかな昼寝をむさぼる菊の字は叩き起こされ、庭へと引きずり出されるのだ。
私が言う“海の家”とは、ただ壁も戸もない、開けっ放しの“暑い家”という意味だったのだけど……。


●7月30日(月) 晴 / 仕上げはミニ缶で一人乾杯!
昨日は“小鳥たちの庭”で除草と剪定、今日はハーブガーデンの除草をして、伸びすぎたラベンダー、マジョラム、コリアンダーをチョキチョキ。。連れ合いをなくしたオリーブは健気に育っているが、今年もやっぱり花が咲かなかった。秋に、新しい連れ合いをみつけなくっちゃとメモ。。明日仕上げをしたら、日陰でできる作業は一段落というところ。
残すはミニカボチャに占領された畑と荒れ地。そしてそして、“幼い木たちの庭”の一角をダダダッと占領してしまったアップルミント討伐という炎天下の大仕事ばかり。曇り空を待つか、夕方遅い時間に1時間くらいづつ、ボチボチやるしかない。できることからちびちびやりながら、気長に頑張ろう。
庭は全体的にとてもきれいになって、このところ作業終了の頃にはGONZOがご褒美のミニ缶ビールを持ってきてくれる。たっぷり汗をかいて、今日の成果を眺めながらのビールは格別だ!一人、庭に向かって乾杯しながら、なんともウフフなひと時……これこそが明日の活力の素かもしれない(^0^)


●7月31日(火) 晴 / 主婦だったのよ……
今日は風が強く、家の中でも結構涼しい。外での庭仕事はさらに快適だろう……と後ろ髪を引かれつつ、「そう!私は主婦だったのよ!」と思い当たる。。。やむなく、一日を掃除と衣替えに費やす(いまごろ……(^^; )。すっきり片付いたものの、庭を眺めると「ハァ〜、もったいないことしたぁ〜」と思わず口走ってしまった。すかさず菊の字の一言。「お客さんの来ると?」……とほほ、掃除をサボってばかりのダメ主婦です。スンマセン。。。


●8月1日(水) 晴 / 閃いたら一目散!
今日はハーブガーデンの仕上げを……と庭に出た。さて、なにからやろうかと軍手をはめながら、ふっと閃いてしまった。今後のスケジュールはきっちり立てているのに、こんな作業は予定外なのに……思い付いたら始めずにはおれないこの性格。すわ、軍手を外し、車に飛び乗って砂を買いに走る。。
針槐庭のハーブガーデンのど真ん中には、田舎生活者の庭造りには悩みのタネとなる、埋め込み式の『合併浄化槽』なるものがあるのだ。ドデカイ本体は地中に埋め込んであるものの、点検管理用の大きな蓋(直径70cmの円形)がデン!デン!デン!と三つも並んでいるのだ。みっともないので、写真を撮るときにも苦労をするし、目隠しの台など置けば、毎月の点検の際に迷惑をかけてしまい、自分の邪魔にもなる。しかも、土が固いので雑草や入り込んだ芝を取るのも一苦労。
「せめて雑草が生えないようにしたいなぁ」から始まって、「やっぱ、なんとかしなくっちゃ!」と。。まずは敷きつめたバラ石を取り、固い土を取り除き、たっぷりと砂を敷き詰める。仕上げには蓋の色に似た石を探して、厚めに敷いてしまえば雑草も生えないのではないか……!?うまく行くかどうかはやってみなければわからない。
そんなわけで、スケジュールはまたもや無視して、コツコツコツ、コツコツコツ、コツコツコツと単調な音が庭に響く。そんな音に感応してやってくるのは、やっぱ子供達。「やってみるか?」とそそのかすが、土が固過ぎてとっとと逃げられた。その後も頑張って、ほぼ半分の土取り完了!
作業を終了して水撒きをしていると、またまたファーブル軍団がやってくる。水撒きはシャワータイムに早変わり。子供達を濡れ鼠にして、今日の作業も楽しく終わった。。。


●8月2日(木) 晴 / 私は巨人かい……!?
う〜ん、やり出したら止まらない。。日陰になるのを待って飛び出して、コツコツ……と言うよりガッツガッツと土を掘り返す。ファーブル軍団、今日は「頑張ってねぇ〜」とニコニコ手を振り、茶庭で大きく育った枝垂れ柳へ蝉とりに。
しばらくするとファーブル君が走り寄ってきて、
「RITZさ〜ん、あれとってーーー!」。
渡された虫採り網を持って行ってみると、なんとまぁ、蝉は3mを越すの高みで鳴いている。。。
「あんなに高いところじゃ、RITZさんには届かないぞ」
「とどくってば〜。。ほらぁ」
振り返ってみると、ファーブル君の指先と蝉の間には、確かに私の頭があった。。。幼稚園児の目線からすれば、私はかなりの巨人に見えていたのかもしれない(^^;


●8月3日(金) 晴 / 長続きの秘訣
昨夜の夕立ちで掘り起こし作業は半分というところでストップ。浄化槽の蓋の上に置いておいた砂は濡れているけれどなんとか使えそう。長続きの秘訣は……それは自分を飽きさせないことだ!などとつぶやきながら、先に半分だけ作業をすすめることにした。
雑草除けの不織布を適当な大きさに切って敷きつめ、さらに雑草除け効果の高い砂を敷きつめた。不織布は園芸通販のカタログで「水は通すけれど雑草の根は通さない」という触れ込みにそそのかされ、ずいぶん前に購入したもの。「芝生のような固くて頑丈な芽は貫通することがある」とも書いてあった。まずは実験も兼ねての作業になる。これまでは鉢底網の代用としてチョコチョコ使っていたが、直射日光が当らなければ長もちすることは実験済み。
砂を厚めにまいておけば雑草が生えにくいというのは有名な話だが、ラベンダーなどのように砂でも発芽するものもある。ま、その時には移植でもして使おう。少なくとも、根が細くて浅い雑草は生えなくなることに期待するとしよう。
作業の間中、興味津々で質問を繰り返していたファーブル軍団に『立ち入り禁止』を宣言して、今日の作業終了!明日からはちょっと早めの夏休みに突入だ。


●8月4日(土) 晴 / 禁を破った犯人は……
朝起きて見てみると、立ち入り禁止の工事現場を『砂場』にして遊んだ犯人の形跡が残されていた。小さなお椀を伏せたような凹みがいっぱい……針槐の木に住み着いたすずめたちの仕業だった。盛大に楽しんでくれたようで、きれいに均した砂の表面はでこぼこ。お盆開けまで、“すずめの砂場”として解放することにしよう。。。さてさて、出発の時間。こちらも思いっきり楽しんでくることにしよう。


●8月12日(日) 晴 / 仲間
4日から実家に帰る前に、このところ恒例になってきたバンド仲間との同窓会に出かけた。歳をとると、人は寂しくなるのだろうか……かつて一匹狼で活躍していた連中ばかりが、やたら会いたがる。。去年は針槐庭に集まったのだが、今年は北九州市小倉の友人宅に。もちろん楽しかったけど、暑かったな>クーラーがあるのに……(^^;
今回は集まった仲間もちょっと増えて楽しかったけど、あちこち召集をかけるうちに、知らぬ間に鬼籍に入った友もいて、乾杯が追悼に変わった。。。それぞれの旅立ってから長い歳月が過ぎ、知らぬ間にいろんなことが起こるのは当たり前なのだろうが……。集まりたがる原因が“病気”という仲間もいる。昨年末からいろんな病気に悩まされたけど、今、こうして健康であることを感謝せずにはいられない。などと思いながらも、途中からはあまり覚えていない。あまりに……酒が旨かったからなぁ〜。。。


●8月17日(金) 晴 /
お盆の最後の客が帰って、長い夏休みも終わった。ホント、長い夏休みだった。。7日から使えるはずのフレッツも、10日後の今日、ようやく使えるようになった。ありがたや!ありがたや!
だけど……ちょ〜っと休まないと……と、家長の嫁は疲れ気味です(^^;


●8月30日(金) 雨 / 新たなる挑戦…???
雑用や仕事に追い捲くられてあっという間に8月が終わろうとしている。17日以後にやった庭仕事といえば、芝刈りをしたくらいで……しかも半分だけ(^^; と言うのも、暑さのせいばかりではなく、なかなかに楽しい仕事が続いているからでもある。朝(昼前かなぁ?)目が醒めると、頭はもぅ言葉を探している始末。かつてのバンド仲間からもとてつもなく久しぶりな○○の依頼も来て、これにはほぼ一週間を費やし、昨夜ようやく片付いた。うまくいったら……公表することにしようかな。。。


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