■死ぬかと思った ■罠にはまった ■胸にこたえた ■腹がよじれた ■寝るかと思った

ルース レンデルの書庫

……Ruth Rendell……

ベストセラー

私の大好きな作家の一人である犯罪心理サスペンスの名人レンデルの作品では、大胆で迫力ある殺人や恐怖のシーンよりも、淡々とした情景や心理の描写の中からふっと立ちのぼる気配に背筋をゾクッとさせられることが多い。みんなに読んで欲しくて本を貸し、今では2冊しか残っていない。。。

涙を飲んで選ぶオススメの一冊
ロゥフィールド館の惨劇

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ロゥフィールド館の惨劇 A JUDGEMENT IN STONE
1977年/角川文庫/小尾芙佐=訳/装幀=杉本典巳
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「ユーニス・バーチマンがカヴァディル一家を殺したのは、読み書きができなかったためである」
この衝撃的な一節から始まるストーリーには、推理や謎解きとはひと味ちがった怖さがある。文盲であるという事実をひた隠しにすることにいつも神経を尖らせているユーニス、そのユーニスが一家全員を惨殺してしまうことを知る読み手は、なにも知らない善良な家族の一挙手一投足に「危ない!」「ダメ!」とドキドキさせられっぱなしになり、レンデルのクールな筆致がさらに読み手を翻弄する。お薦め度は200%!!!

映画化作品:『沈黙の女/ロウフィールド館の惨劇(La ceremonie)』 '95 仏 主演イザベル・ユペール


わが目の悪魔 A DEMON IN MY VIEW
1976年/角川文庫/小尾芙佐=訳/CWA賞受賞
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己の歪んだ欲望を地下室の暗がりで行う些細な行為で封じ込めていたアンソニー。だが、同じアパートに同姓同名の“もう一人のアンソニー”が越してきたことから、地下室への出入りが不自由になったアンソニーの欲望がはけ口を求めてうごめきはじめる。
 まだ幼年の頃から、わたしは
 ほかの人たちとは異なっていた一一
 ほかの人たちのようには見なかった一一
 おなじ泉からは情熱を汲みとれなかった。
 おなじ源から悲しみを得たこともなく一一
 おなじ調べにわが胸を高鳴らせたこともなかった一一
 わたしの愛したものはすべて、わたしひとりこれを愛した。
レンデルが作品中で引用しているエドガー・アラン・ポーの詩の引用がすべてを物語る。これは!面白い!

映画化作品:同タイトル '92 ドイツ=アメリカ合作 主演アンソニー・パーキンス(これが遺作となってしまった)



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