■死ぬかと思った ■罠にはまった ■胸にこたえた ■腹がよじれた ■寝るかと思った

ジェフリー・ディーヴァーの書庫

…… Jeffery Deaver ……
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ベストセラー

リンカーン・ライム シリーズにはわくわくさせられっぱなしですが、緻密な調査と取材をベースとした単発ものの中にはシリーズとはちょっと違った味わいがあります。『静寂の叫び』でガツンとやられ、釘付けにされたディーヴァーをずっとずっと追っかけていきたいものです。

涙を飲んで選ぶオススメの一冊
静寂の叫び

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洋書hardcover
単行本
獣たちの庭園 GARDEN OF BEASTS
2004年作/文春文庫/土屋晃=訳/カバー=石崎健太郎、カバーイラスト=野原幸夫/'05年読
ブックマーク
1936年、ベルリン・オリンピックの年。蒸気船マンハッタン号はアメリカ選手団をはじめ、マネージャーやコーチ陣の他に家族、友人、報道陣、オリンピック委員会の役員からなる850名を乗せ、ニューヨークを出航した。船内にひしめく乗客に紛れて、一人の男が潜入していた。ポール・シューマン・・・スポーツ・ジャーナリストを名乗る彼の正体は殺し屋。その使命はナチス高官暗殺だった。
恐るべきヒトラー時代の、しかもオリンピック海幕直前のベルリンを舞台に、「う〜ん、マンダム!(古いぞー!)」風のメンズ・ワールドが展開するディーヴァー初の歴史サスペンス。しかも、なんとタフガイの殺し屋がヒーローとなって登場するのだ。これを読まずにどうする!
ファンの間では賛否両論別れているようだが、私は気に入った。ディヴァーと言えば期待してしまう派手などんでん返しは無いに等しいが、随所に鏤められたさまざまな仕掛けが読者を欺く。ライムシリーズに比べれば地味ではあるが、ディヴァーの新たな一面が楽しめた。

ジェフリー・ディーヴァー
洋書hardcover
青い虚空
文庫
青い虚空 THE BLUE NOWHERE
2001年作/文春文庫/土屋晃=訳/カバー=花村広/'03年読
ブックマーク
かつて電脳世界のセキュリティーを震撼させた天才ハッカー〈フェイト〉が新たなるゲームを開始した。そのゲームとは・・・現実世界バージョンの殺人ゲーム。残忍な連続殺人を阻止するため、州警が抜擢したのは獄中の天才ハッカー、ワイアット・ジレット。〈フェイト〉を追うジレットは、やがて彼の相棒〈ショーン〉に辿り着くが、〈ショーン〉は数少ない捜査チームしか知り得ない情報を〈フェイト〉に送り続けていた。〈ショーン〉は………誰だ?
マシンワールドの虚空を駆けるウィザード(魔法使い=達人)たち、司法社会の虚空を駆ける捜査官たち、そして現実世界の虚空で喘ぐ人たち・・・無限に拡がる青い虚空を舞台に二転、三転、四転、五転・・・ずっぽしディーヴァーの罠にはまった。耳知識と想像力をを頼りに読んだが、ネット初心者でも十分に楽しめる、いやいや、ぐいぐいと青い虚空に惹き寄せられる一冊だ。映画化の噂があり、これがまた楽しみ!

ジェフリー・ディーヴァー
洋書hardcover
悪魔の涙
文庫本
パーカー・キンケイド シリーズ 第一弾
悪魔の涙 THE DEVIL'S TEARDROP
1999年作/文春文庫/土屋 晃=訳/'01年読
ブックマーク
世紀末の大晦日午前9時、ワシントン特別区で突如発生した非情な無差別乱射事件の直後、市長に届けられた一通の脅迫状には、2000万ドルの“市の身代金”を払わなければ無差別殺人をくり返すとあった。大量殺戮を愉しむ凶暴犯を止められる唯一の男の死によって、残された手がかりは手書きの脅迫状ただひとつ・・・
元FBIの科学犯罪文書検査士パーカー・キンケイドが緻密な筆跡鑑定を武器に罠を探る。刻々と迫るタイムリミットに、思わず本を握りしめた。シリーズ化も決定したらしく、これまた楽しみ。リンカーン・ライムもちょい役で登場!

ジェフリー・ディーバー
洋書hardcover
監禁
単行本
監禁 Speaking in Tongues
1995年作/早川書房/大倉貴子=訳/'01年読
ブックマーク
復讐するのだ―――綿密な計画を練り上げて、男は17歳の少女を誘拐し、人里離れた教会に監禁した。彼女を十字架に磔にして、裁きを行うのだ。
神に憑かれた犯人の中に潜む暗い秩序、「神の意志」「裁き」という名を借りた冷静沈着な罠が徐々に綻びを見せる時、背筋の冷たくなるような狂気が姿を現わす。前半は忙しくもあり、ぼちぼち読み進んだが、後半はなかなか本を手放せなかった。大満足!
映画化され、私個人としては充分以上に楽しめた。

ジェフリー・ディーバー
洋書paperback
静寂の叫び
単行本
静寂の叫び A Maiden's Grave
1995年作/早川書房/飛田野裕子=訳/'00年再読
ブックマーク
聾唖学校の幼い生徒たちと教師が三人の脱獄犯に誘拐された。犯人たちは廃屋となっていた食肉加工場跡に立てこもり、無気味な工場の暗がりに押し込まれた生徒たちは、凶悪な脱獄犯の一挙一動に怯えていた。犯人たちの隙を見て、聾唖の教育実習生メラニーは自らの微かな勇気に賭ける。そして、FBI人質解放交渉の専門家ボターと教師メラニーとの息を呑む無言の交信がはじまった。
息を呑むとは、まさにこのことだ。「FBI人質解放交渉の実体を描く」と評判になった作品で、映画も面白かった。

ジェフリー・ディーバー
original cover
眠れぬイヴのために
文庫
眠れぬイヴのために PRAYING FOR SLEEP/上下巻
1994年作/ハヤカワ文庫/飛田野裕子=訳/'00年読
ブックマーク
記録的な嵐の近づく夕暮れ、精神病院から脱走した男は数カ月前、一人の女性の証言によって殺人犯として判決を下されていた。嵐が迫りくる暗闇の中、男は黙々と目的地を目指す。
迫り来る大嵐、湖の氾濫に家を失われそうな家族、そこに忍び寄る狂気。そして、思いもかけない結末・・・圧迫感とスピード感の中でぐいぐいと読み進んだ。推理好きにはたまらない一冊。薔薇好きにはヨダレの出そうな温室が登場する。嵐、暗闇、霧、叫び、そして薔薇の香りが五感に囁きかけてくる。


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