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ジェフリー・ディーヴァーの書庫

…… Jeffery Deaver ……
リンカーン・ライム(Lincoln Rhyme)シリーズ

ベストセラー

「続きに夢中になった読者に電車を乗り過ごさせて、仕事に遅刻させたい」と宣うディーヴァー・・・少なくとも私は、ディーヴァーの本を読みはじめると生活がストップしてしまいます。飽くことのない好奇心と読者へのサービス精神に満ち溢れたディーヴァーですが、ライム シリーズも4作めを越え、プロットだけでなくライムを囲む面々のキャラの充実にさらに期待が膨らんでいます。

涙を飲んで選ぶオススメの一冊
ボーン・コレクター

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洋書hardcover
単行本
シリーズ 4魔術師 イリュージョニスト The Vanished Man
2003年作/文芸春秋/池田真紀子=訳/装幀=木村裕治・斉藤広介(木村デザイン事務所)、写真=釜谷洋史(文芸春秋写真部)/'04年読
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どんでん返しのマジシャンであり、プロットのマジシャンでもあるディーヴァーが、科学捜査界のマジシャンであるリンカーン・ライムに対決させた今回の相手は・・・もちろんマジシャン界きっての超ド級マジシャン。紹介もややこしいが、ストーリーはさらに目が離せない展開となる。
神出鬼没の連続殺人犯の魔術師マレリックが仕掛けるトリックと変化自在に包囲網をすり抜ける数々の技に、今回はさすがのライムもアメリアも煙にまかれることしきり。ついに女性マジシャン(カーラ)がライム組に参入することとなった。
マレリックのトリック満載、ディーヴァーのトリックも健在で、またもや、思いっきり楽しませてもらった。読み終わるまで手放せず、風呂へ、トイレへと同伴した一冊。

ジェフリー・ディーヴァー
洋書hardcover
石の猿
文庫
シリーズ 4石の猿 The Stone Monkey
2001年作/文春文庫/池田真紀子=訳/装幀=木村デザイン事務所/'03年読
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4作めは中国からの密入国を斡旋する冷徹な蛇頭「ゴースト」を追い詰めていくストーリー。怒濤の幕開けから、ゴースト、生き残りの密入国家族、そして今では起きている時間の大部分をパワーアップした鮮やかな赤のストーム・アローの上で過ごすようになったライムとそのチームの三つ巴の頭脳戦が繰り広げられる。
緻密な鑑識と分析力の細かな描写がウリのライム シリーズにしては、その辺りの描写の迫力が薄れてきた気もしたが、それでも最後まで読ませてしまうのがディーヴァーなのだ。サックスの心の揺らぎ、それに心を砕く仲間たち、ライムを「老板(ラオバン)」と慕う新しい東洋の友人との交流にライムが懐柔されていくシーンなどは、やはりさすが!のディーヴァーなのだ。

ジェフリー・ディーヴァー
洋書hardcover
エンプティ・ーチェア
文庫
シリーズ 3エンプティ・ーチェア The Empty Chair
2000年作/文芸春秋/池田真紀子=訳/装幀=木村デザイン事務所/'01年読
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手術のため東海岸の田舎町タナーズコーナーを訪れていたライムは、捜査仲間の従兄弟の保安官に頼みこまれ、いやいや昆虫少年の犯行と思われる連続誘拐捜査に引きずり出される。もちろん直接鑑識捜査に出かけるのはライムの右腕にして恋人でもあるアメリア・サックス。だが、今回はちょっと違う。
これまでのハイテク機器や優秀な仲間に囲まれた自室での捜査とは違い、じっとりと湿気を帯びた南部の熱気の中で、バッテリー駆動のストーム・アローの車椅子上で分析を続けるライム。機材調達に四苦八苦しながら、田舎町の警官や臨時の鑑識助手にカリカリしながら、癇癪を起こすライム。そして最後には、ライムの鑑定VSサックスの勘が真っ向から対立。二人の頭脳対決まで楽しめる。早くも次作が待ち遠しい。

ジェフリー・ディーヴァー
洋書hardcover
コフィン・ダンサー
単行本
シリーズ 2コフィン・ダンサー THE COFFIN DANCER
1998年作/文芸春秋/池田真紀子=訳/'01年読
ブックマーク
四肢麻痺の科学捜査官リンカーン・ライムシリーズ第二弾は、棺桶の横で踊る死神(コフィン・ダンサー)の刺青を入れた殺し屋が相手だ。鑑識を知り尽くした謎の暗殺者コフィン・ダンサーが仕掛ける罠は、ライムの焦りを後目にターゲットに迫る。またもやハラハラドキドの展開。
二作目ともなれば、ライムの相棒たちの個性もさらに楽しめる。とくにライムの元で成長した右腕、美貌のサックス捜査官の度胸満点の活躍、ライムと介護人トムのシニカルな会話にほくそ笑みながら、大いに楽しんた。鑑識ものなのであちこちに隠れたヒントがいっぱい。じ〜っくり読むべし。

ジェフリー・ディーバー
洋書hardcover
ボーン・コレクター
単行本
シリーズ 1ボーン・コレクター THE BORN COLLECTOR
1997年作/文芸春秋/池田真紀子=訳/'01年読
ブックマーク
ベッドから一歩も動かずスーパーコンピュータなみの頭脳で犯人を追い詰めていく異色捜査官。かつて“世界最高の犯罪学者”と呼ばれ、今は四肢麻痺で安楽死に恋い焦がれるリンカーン・ライムが、狭い寝室のベッドの上で謎を解く。鋭い洞察力と緻密な鑑識を武器に、寝室に集う個性溢れる仲間を手足に、介護人トムに叱られながら、ライムの推理が犯人を追い詰めていく。
しかし犯人は残忍な手口で殺人を楽しみ、被害者をすぐには殺さない。犯行現場に必ず次の犯行を示唆する証拠を残していく知能犯。その証拠こそ、ライムへの挑戦状だった・・・いやいや、これはすごいシリーズが始まったものだ。一文字たりとも目が離せないっ!!!
映画化作については、ディーヴァーはあまり満足していないとか。。。


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