■死ぬかと思った
■罠にはまった
■胸にこたえた
■腹がよじれた
■寝るかと思った
三浦明博の書庫
ベストセラー
涙を飲んで選ぶオススメの一冊
滅びのモノクローム
←ベストセラーへのリンクはInternet Explorer 5、Netscape Navigator 6 以上のブラウザで快適にご覧になれます。詳細は『
この書庫の使い方
』へどうぞ
滅びのモノクローム
初版5.Aug'02/講談社/カバー写真=小森信治/装幀=緒方修一/第48回江戸川乱歩賞受賞/Nov.'02年読
広告代理店に勤務する日下は、骨董市で掘り出し物のフライフィッシング用のリールを買い、サービスだとリールの収まっていた古びた柳行李と、一緒に入っていたスチール缶をもらう。家に戻りスチール缶を開けてみると、中からは破損寸前の状態の16ミリフィルムが出てきた。その頃、月森花は祖父にリールを売ったことを告げていた。そして話を聞いた祖父は、突然心臓発作を起こして倒れた。 眠りから覚めたフィルムはいったいどんな過去を写し取っていたのか……やがて、フィルムの再生を依頼した大西が失踪する。
フライフィッシング、CM撮影、謎のフィルム、政治、戦争という闇に葬られた許されざる犯罪・・・細やかな筆致でこれらのモチーフを見事に組み立てている。情景が眼に浮かぶところはさすが現役コピーライター!長崎出身という点がさらに嬉しい。