レスキュー&育て方

動けない成鳥や卵は?

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・動けない成鳥がいたら?
元気であれば地上でじっとしているということはありません。病気で動けなくなっていることも多いですが、中には自分の寿命(じゅみょう)を全うして命が尽きるのを静かに待っている場合もあります。こういう場合は、人が手を差し伸べることが苦痛をあたえるだけのことになってしまいます。

野生で長く暮らして人になれていない成鳥にとっては、人間もおそろしい天敵(てんてき)と同じような存在です。保護された場合、人がすぐそばにいたりカゴや箱に閉じ込めらるなどの恐怖やストレスだけでもさらに弱ってしまいます。逃げようとカゴや箱に体当たりをくり返してさらに翼やクチバシを痛めたり、中には興奮してショック死してしまう鳥もいるのです。

野生で生きる生き物たちは、病気なのか寿命が来ているのか、その判断はとてもむずかしいものです。助かるものなら助けたいと考えるのが人間ですが、ケガが見あたらない時には自然にまかせて、静かに放っておいてあげるのが本当の手助けになるのかもしれません。もし保護した場合も、これまでにすずめっ子クラブに届いたいろいろの話を総合して考えてみると、ケガがないようだったらもといた場所にもどしてあげた方が良いように思います。

また、海上で見られる水鳥(ミズナギドリ、 カイツブリ、 アホウドリ、アビ、オオハムなど)は水面を羽ばたきながら離陸します。これらの水鳥は地上を歩くことがとても下手ですから、なんらかの理由で陸上に着地してしまうとヨタヨタ歩いたり這っていたりして、まるでケガをしているように見えるため、よくまちがって保護されています。このような鳥は広い場所で空高く投げてやれば飛ぶことができる場合もありますが、できれば専門家に相談して鳥の種類や餌、生息環境などを調べ、広い水辺で放鳥してもらうのが一番ですね。

最近は道路近くの草むらで、キジがうずくまっている姿を見ることもあります。キジは開けた草むらに巣を作り、卵を抱いてあたためますが、最近は住む場所が少なくなって、思わぬところで巣作りをしてることがあります。ほかにもカルガモ、コジュケイ、ケリ、チドリやシギの仲間など多くの鳥が地上の巣で卵をあたためます。みつけても、近付かないようにしましょう。


・卵の場合

野鳥は国から守られていますから、野鳥の巣をいじったり卵や雛(ヒナ)を持ち帰ったりすることは鳥獣保護法という法律で禁止されています。また、卵は呼吸をしていますから、人が素手でさわるのはふ化の妨げになります。それに、人の手で卵をふ化させるには人工孵化器などの力を借りなければ、めったにふ化させることはできません。

近くに親鳥の姿が見えなくても子育てをしていないとは限りませんし、人が巣の近くをうろうろすることで、親鳥が巣を見捨ててしまうケースもあります。まして、卵を持ち帰るなどということになれば、これは犯罪です。野鳥の巣をみつけたら近寄らず、すぐにその場を立ち去るようにしましょう!そして、卵にはさわらないようにしましょう。それがなにより野鳥さんたちのためです。

嵐の後など、巣の中に卵が入った状態のまま落ちてしまっているケースもあります。落ちた直後にみつけて卵がまだあたたかい状態だったら、落巣ヒナのケースと同様に巣を補修して近くの木などに取り付けてあげる方法もあります。(→左メニューの青枠内落巣ヒナだったら?参照)でも、時間がたち過ぎていたらその卵はふ化することはできませんし、卵の場合には親鳥もあきらめが早く、すぐに次の産卵の準備に入ります。

巣もなにもないところに割れていない卵が落ちていることもたまにありますが、これは親鳥がまちがって生んでしまうケースで、よくあることなのだそうです。巣の下に落ちている場合は、死卵や中止卵(ふ化しないと判断した卵)であることが多く、巣にもどしてもまた落とされることの方が多いそうです。中にはカッコーのように託卵(卵を他種の野鳥の巣にこっそりおいて育ててもらう)したヒナがふ化して、他の卵を落としてしまうケースもありますが、これは自然のしくみのひとつですから、手を出さないようにしましょう。

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