海と空と針槐 > ご近所瓦版 > 海辺に佇む美しき廃虚(5/6) 魚雷発射試験所跡  
   

 

魚雷発射試験場道路陥没海に浮かぶオブジェ

岬の突端にあるもうひとつの建物へ向かった。
草に覆われた道を過ぎると、海沿いにコンクリートの道が続き、その道も途中で陥没していた。海まではかなりの深さがあり、歳をとってもお転婆な私とカメラマンの新川氏はひょいひょいと渡ることができたが、同行したメンバーの中には足元がおぼつかない者もいた(私のダンナであったりする)。
海に浮かぶ魚雷発射試験場 危険な箇所を過ぎると道はすぐに行き止まりとなり、建物へ続いていたと思われる部分はすでに海中に没していた。船でもなければ辿り着けない場所に、三つめの建物があった。 資料がなく、現時点では「もうひとつの発射試験場」ということだけしかわかっていない。ここでも監視塔とは別に魚雷の発射試験が行われていたらしい。
海のただ中にぽつんと浮かぶ小さな要塞は、まさに海に浮かぶオブジェだ!朽ち果ててしまうまで放置するのはあまりにも惜しい。

 

夜の魚雷発射試験場恋をしてしまった。

8年も知らずに過ごしていたわが町の魚雷発射試験場跡に、私はひと目で恋をしてしまった。三つの建物を巡りながら、なんとかしてこの場所を遺せる方法をみつけなくちゃ!という思いに駆りたてられた。
川棚は佐世保海軍基地に近かったこともあって、この魚雷発射試験場の他にも、次ページで紹介する魚雷艇特攻隊訓練場跡やその慰霊碑もある。空を翔けた神風特攻隊は広く知られているが、魚雷艇特攻隊については無名に等しい。時の流れに埋もれたままのさまざまな戦跡も遺されていると聞く。
いつまでも戦争が途切れない世界だからこそ、戦争で遺されたこうした場所はたくさんの人に知ってもらうべきではないだろうか。こうした場所は未来の子供たちにつなげる希望に満ちた場所にしなければならない。それこそが半世紀を超えて今もここにあるこの遺跡群の新たな役割ではないのだろうか。


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2004年頃からちらほらと、魚雷発射試験場の取り壊しの噂を耳にするようになりましたが、
川棚町の観光パンフレットなどにも登場しているので大丈夫……なのかな?
いずれにしても、すでに 危険な場所になっていることもまた事実です。

この貴重な遺跡の保存に対するあなたの声をお聞かせください。
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参考資料 川棚町郷土誌(平成十四年 川棚町教育委員会編集 川棚町発行 )
関連サイト:

Shinkawa Photo Gallery
 このコーナーに写真を提供してくださっている新川氏による魚雷発射試験場の美しい 写真が見られます

日本かちんこエージェンシー
 新川氏による魚雷発射試験場の美しい写真が見られます
Trece over
  Photos/戦跡のコーナーで写真が見られます
スナメリの見える丘大村湾のスナメリ長崎県自然保護課ホームページ
 魚雷発射試験場が、水産庁、長崎県のレッドデータブックで絶滅危惧種に指定されている“スナメリ”
 の良好な観察ポイントとして紹介されています
かわたな 知られざる特攻艇(こども用ページはこちら
 長崎大学の学生さん(取材当時)によるレポートです
特攻殉国の碑(川棚魚雷艇訓練所跡)
 長崎大学教育学部 社会科教育学の福田研究室によるレポートです
川棚町のホームページ


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