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巨大イカだ!

正月も明けたばかりののどかな午後、洗濯中の主婦が、外出から帰って来た隣人が
磯辺に漂う怪しげな物体を発見!!! 引き上げてみると・・・なんと!それは巨大なイカであった!
新聞社に連絡し、水族館の職員が駆けつけ、地元マムシ谷の住人は上を下への大騒ぎ!
マムシ谷駐在特派員、ファーブル・パパがレポートします。

巨大イカ・レポート!!!


海辺でイカと遭遇 2002年1月6日、午後2時ごろ、家の前の海際で弱っているイカを発見し引き揚げたところ、体長91cm、体重9.8Kgというびっくりサイズでした。長崎県佐世保市鹿子前のパールシーリゾート水族館の方に来ていただいたところ、このイカは“ソデイカ”と呼ばれる種類らしく、長崎県北松浦郡生月町でも8Kg程度のものがあがったことがあるそうですが、同水族館で飼育を試みたものの、まもなく死んでしまったそうです。
なんでもイカは一生に1回産卵し、その後母体は弱って死んでしまうそうです。このイカも産卵後に弱り、海際に身を寄せていたと思われ、おそらく飼育はできないだろうとの判断で水族館に連れていくことは諦めました。
というわけで、このイカは勇気を持って当家で料理(解体?)し、刺身で美味しく食べました。一人100g食べたとしても100人分の刺身が作れそうな代物でしたので、当家だけではとても食べきれず、厚く皮を切り取って約3cm厚の切り身を近所に配りまくって成仏してもらいました。おそらく、ここ大村湾には外海から迷い込んできたのでしょうが、大村湾でソデイカが捕れることはきわめて稀だそうです。《マムシ谷駐在特派員、ファーブル・パパ》

 

巨大イカの正体……!?

ソデイカ
Thysanoteuthis rhombuns Troschel,1857
市場名:
オオトビイカ、沖縄地方ではセイイカ、京都地方ではアカイカ、タルイカと呼ばれる。洋上で2匹づつ遊泳することが多く、浜辺に2匹並んで打ち上げられていることも多く、このことから小笠原では心中イカとも呼ばれる(^^; 夫婦か親子か友達か今のところ分かりませんが、決して心中ではありません!!!
ヒレがダイヤ型で翼のように見えることから英名ではフライングスキッド(飛ぶイカ)、ダイアモンドスキッドとなっている。
分布:
世界中の温かい海域。成イカは水深 500〜600mの深海で暮らす。漁獲対象にしているところもあり、主にお安い寿司ネタに使われるとか…(^0^)
大きさ:
外套長80cm、大きなものは体重20Kgを越える!
特徴:
大きく厚いひし形のヒレがボディー全長に及び、イカとしては特異な印象を与える。腕の保護膜はきわめて広い。腕の大吸盤の角質環には20〜26の鋭い歯があり、触椀のそれには15〜20個の細かい歯がある。軟甲の型も他の類と異なる。


11日夕方、編集長宅に届けられたイイダコは、どれもタコ糸で威勢よく頭にねじり鉢巻を巻かれ、お皿の上で踊っていた。子供たちの仕業かと思いきや、陽気なママの仕業だった。常日頃から楽しく元気なマムシ谷の住人たちであるが、珍騒動以来、マムシ谷にひそかなイカ・ブームが巻き起こっている。亭主たちは用もないのに磯辺をうろつき、主婦たちの間ではイカれた駄洒落と腕自慢のイカ料理が飛び交っている。なにしろ各家庭に25cm×20cm×7cmの瓦状のイカのストックがあるのだ。ここでソデイカのお味など紹介してみよう。

お刺身と炙りイカ
お裾分けしてもらったイカの切り身はなにしろ固くてでかかった。さらに固い部分を切り落として刺身にしてみたが、やわらかいものの大味で甘味に乏しい・・・というのが素直な印象。ならばと、今度はさっと炙って食べてみるとスルメの味と香りで美味しくいただいた。

イカのヒレの酢の物>いただきもの
さっとお湯に通したイカのヒレをスライスして、酢醤油で。これは美味しかった!子供たちもぱくぱくとつまみ食いをしていたという話。

イカのトム・ヤン・クン風スープ>いただきもの
アジアティックな味付けとイカの歯ごたえ、これも美味しかった!

イカのハーブ炒め
薄切りにして、ハーブや野菜と一緒に……ゴムを噛んでいるようだった(TOT)

イカのから辛煮
炒めものに懲りて厚切りのものをじっくり煮込んでみると、やわらかくて美味しかった。だが、やはり大味だなぁ〜という印象が残った。

 

子供たちにもイカ・ブーム!!!


イカの凧

マムシ谷の子供たちの間でも巨大イカは大の人気者になっていた。
ファーブル君は幼稚園で「イカのタコ」を作ってきた。
ポリ袋で作られたやわらかいイカは、いや、タコは強い風にも負けず空を……なんとか泳いだ。
タコの、いや、イカのかわいい目、鼻が見えないのが残念。

 

殺した事は可哀相だけど美味しかった

コメントが……笑える(^^;

 

いざ、学校へイカん!

ランドセルをしょったイカ……(^O^)

編集後期

針槐の海に抱かれたちいさな岬の片隅に、ちいさな集落がある。“集落”と言ってもまだ開発されたばかりの土地で、立ち並ぶ家々も新しい。地形的にはなだらかな斜面にすぎないのだが、かつてこの土地は“マムシ谷”と呼ばれていたそうで、その名の通り、マムシがうじゃうじゃと住んでいたらしい。マムシは今ではほとんど見かけることもなくなったが、自分たちが移り住んたことでマムシをはじめ狸、野兎、雉やたくさんの生きものを追い払ったことを悔いる一部の住民は、今も敬意を込めてここを“マムシ谷”と呼んでいる。
そんなマムシ谷で巻き起こった珍騒動。興味を持って調べてみると、ソデイカの漂着は地域によってはよくある出来事のようだったが、やはりマムシ谷では「ビッグニュース!であり、大人たちの好奇心を刺激し、子供たちの創作意欲をそそり、ご近所同士の「笑顔と触れ合い」にも貢献し、なによりも大勢の胃袋を満たしてくれたありがたい海からの贈り物であった。ソデイカ君、また来てね。
ネット検索中に『ソデイカ・バトル'2002/海の中道探検クラブ(福岡)』なんて冬期限定のイベントをみつけ、すぐさま写真を送って応募したRITZ編集長であったが、その結果はいかに?愉快なマムシ谷に今度はどんな珍事件が発生するのか?さてさて、お後はまたのお楽しみに!

最終レポ:『ソデイカ・バトル'2002』でギリギリまで一位の座にあったマムシ谷のソデイカでしたが、締め切り直前で惜しくも第二位に落ちてしまい、大人たちはがっくり。後日、海の中道探検クラブ(福岡)から届いたクジラのトロフィーに子供たちは大喜びでした。
追記:『海の中道探検クラブ(福岡)』のサイトは現在休止中です。


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