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RITZの闘う猫車

登場する仲間たち


●4月1日(土) 晴/四月バカの物思い・・・
 仕事もようやく一段落。今日は長崎県の波佐見で毎年四月の第一土、日曜日に開かれる“桜陶祭”へ。最近多くなった商業ベースの陶器市とはちと違う、陶芸家さんと地元住民が一体となって頑張る、とても微笑ましい陶器市だ。毎年、行く度に楽しい発見がある。“桜陶祭”へ向かう車中、つい「日記だけじゃ書ききれないんだよね〜。」とダンナに漏らした。すかさず「新しい小部屋を作ればいいでしょ。」
 そうか!そんな簡単なことだったのか…といろいろ考えてみると、いつの間にか“針槐”というサイトは私一人のものではなくなっているのだ。じつはこのサイト、当初は私の庭造りの記録のために作ったものだった。遊びで作ったのはRITZ BARくらいのもので、他は全て私の記録だ。どうせ作るのならネットに乗せようという、しごく簡単な理由でネットデビューしたのだった。
 でも、この頃はリクエストがある。針槐が見たい、海が見たいと…。そして、この頃は見て欲しいと思う。ネットを通じて知り合う仲間たちに、日々の海を、私の庭を。そして、私もまだ知らない長崎の良さを一緒に感じていって欲しいと思うようになって、いつの間にか、私の生活はとても楽しいものになった。いろんなことに張り合いが持てるようになったように思う。
 今日も新しい企画をいくつか思いついた。でも、拡がるばかりの庭(自分で拡げている)と膨張していくサイトを、私一人でやっていけるのだろうかと不安は残る。ま、やってみなければわからないから、やってみよう!当って砕ろだ。・・・などと、嘘をつき忘れた四月バカの物思いであった。。。


●4月4日(火) 雨/ご苦労さん&ありがとう!

これらは四ヶ月の長きに渡ってRITZさんの麻痺した手首を支えてくれたモノたちである。。
 最初に登場するのは嫌味なドクター(担当医ではない)がしぶしぶ作ってくれたギブス。手の内側をがっちり固定してしまうのでなんにもできない。印象としても大袈裟であり、不格好であった。検査後、「できるだけ使うようにした方が良いよ」という担当ドクターの一言で、あえなくボツにされる。使用期間はわずか一週間。
家の中をうろついていたダンナ考案の優れもの。バンダナの中には床の配線カバーのアルミ板が入っている。
その日の気分、ファッションに合わせてバンダナの色を変えられ、指も使いやすい。紐はハウステンボスのネーム入り。なかなか気に入っていたが、とても人目を引いてしまうのが難点。長く使うと骨が痛くなるが、長期に渡って活躍した。
ダンナの出張帰りのお土産はローラーブレード専用のリストバンド。第一印象は「カッコイイー!」。でも、怪我防止のためのものなので内側も掌まで頑丈に固定してあり、使いにくく、車の運転はまず無理。
 ただし、他人の目にもやはりカッコイイらしく、ラフなスタイルでこれを付けていると、「こんなのが流行ってるの?」とマジ顔で聞かれた。子供たちは羨望の眼差しを向けていた。
ローラーブレード用リストバンド改良型。掌の固定部分を取り外し、菊の字にベルトを補習してもらったもの。指先がずいぶん動くようになっていたので、これはとても重宝した。今でも運転中には欠かせない秀逸もの。デザインもすっきりしてスマートになった。
 この後、回復に合わせてサポーターがカラフルなテニスの汗止めに変わるなど、ファッション感覚溢れるものに進化。なんとなく、すっかり身体の一部になったような気もしている。


●4月4日(火) 曇/春ですねぇ
 夕食のサラダ用野菜を収穫。レタスは虫も付かずに元気いっぱい。イタリアンパセリは花を咲かせようと目論んでいるようで、花芽の部分を採ろうとしゃがみ込んでいると、庭中がほのかに良い香り。なんだろうと思ったら、いつの間にかフリージアが満開。この時間にはまだちょっぴり寒いけれど、香りが家に入るかと窓を開けておいたら、部屋の中まで良い香り。思わず、春ですねぇなどと独り言。


●4月6日(木) 快晴/針槐萌芽
 ドピーカンの青空、暖かい春風、今日は久しぶりに思いっきり庭仕事を楽しんだ。初めて花を付けたクリスマス・ローズに微笑みながら茶庭を整え、無気味な姿のレモングラスを刈った。越冬できるか試すために冬場に刈り込まなかったのだが、見事に越冬。ただし、刈り込みが遅れたので、新芽までたくさん切ってしまった。ま、元気だから、すぐに伸びるだろう。
 五時には風が冷たくなったが、未練たらたら芝生の草など取っていると、針槐が芽吹いているのを発見。嬉しくて大慌てで撮影準備などしていると、芝生上にてこける。ずっと庭仕事をしていなかった所為で、どうやら身体が鈍っているらしい。。


●4月7日(金) 快晴/西海橋大観潮会
 今日、旧暦の3月3日は年一番の大潮だとかで、西海橋では大観潮会が開かれた。西海橋の下の狭い伊ノ浦瀬戸に押し寄せる潮はごうごうと音を立てて流れ、寄せる潮、返す潮が入り乱れて大小様々な渦潮を作る。壮観で、時を忘れて魅入ってしまう。
 橋の近辺の公園や川沿いでは1,500本の桜が満開を迎えていた。これもまた素晴らしい眺めで、仕事をサボってわざわざ観に行っただけの事はあった。大勢押し掛けた花見客があちこちに散らばってお花見や観潮を楽しんでいた。古い食堂でアラカブの味噌汁と新鮮なお刺身のランチをいただき、上機嫌で帰ったまでは良いものの、残業は早朝にまで及んだ。。。


●4月8日(土) 快晴/パン作り教室(第一回)
 「春になると、モリモリ元気になるねぇ〜」とダンナに笑われながらも、意気揚々とパン作り教室へ。初心者コース初日の今日はマヨネーズパン、ハムロール、ポンテゲージョの三品に挑戦。初めてだったけれど、北村光世先生に教えていただいたパスタやグリッシーニ作りがヒントになって、とても取っ掛かりやすかった。機械でこねたものと手こねのものと作ったが、生徒三人が交代で必死に頑張った甲斐もあって、先生に誉められる程美味しい手こねのハムロールができた。でも、お気に入りはポンテゲージョ。チーズの香りともちっとした歯ごたえがワインに合いそうだ。今夜は手抜きで、ワインとパンとサラダの食卓になりそうだ。


●4月9日(日) 花曇/お花見と蔵開き
 酢屋商店の年に一度の蔵開きで福岡へ。途中、去年偶然に見つけた鹿島の桜の里の花吹雪の下でお弁当を食べた。桜の里は林道にずらりと桜が植えられていて、満開の頃には桜のトンネルができ、道は花びらにおおわれ桜の絨毯を敷きつめたようになる。この時期、下の町から山を見上げると、山がネックレスでも付けたように、緑の中にほのかなピンクの線が浮き上がる。
 蔵開きの方は今年も盛況で、先代夫婦も現役若夫婦も、いつも一生懸命の専務さんも若い職人さんたちも、みんなニコニコ嬉しそうに走り回っていた。「来年が恐くなりますよ」と笑う職人さんの言葉に、「年に一度の蔵開きはお客たちのためだけでなく、自分達が楽しむものにしましょう!」といううちのダンナのコンセプトが見事に実現されてきたように思え、嬉しかった。
 蔵開は、この頃は近隣を巻き込んで町のお祭りのように賑やかになってきた。木工の町、大川ならではの「われら職人展」や手作り家具展、様々なギャラリーが催されていた。休日返上の漆専門店は丁寧に漆づくりの説明をし、老舗の料亭のおじぃちゃんは御自慢のお宝を持ち出し、点在する旧家も軒を開き、歴史を感じさせる部屋や家具を見せてくれる。おかげで足が棒になってしまった。


●4月16日(日) 晴/トンマ夫婦のだるい一日。。。
 なぜ夫婦揃ってだるいのか…と言うと、長い話になる。土曜あたりから雨だというので、金曜日に今年初の芝刈りに精を出していたところ、陶芸家の友人二人が肴を下げてやってきて、急きょ宴会となった。楽しい宴会は早朝にまで及び、女房の方は飲んで騒いでの挙げ句の二日酔いに追い討ちをかけるように、久々の芝刈りで使い過ぎた左手が棒のように固く、重くなってしまったのである。
 ダンナの方は、これまたマヌケな話。。酒で火照った体に潮風が心地よい…などとテラスではしゃいでいた際に眼鏡を置き忘れていたらしい。そして翌朝にはこの眼鏡、この頃よくテラスで遊ぶようになったカラスに略奪されてしまったらしいのである。。買ったばかりの新品で、「デザインは良いし、軽くてかけていることさえ忘れる!」などと御自慢の代物だったのだが、どうやらはずしたことまで忘れてしまったようだ。落ち込むことしきり。
 そして日曜日。テラスで遊ぶカラスに「返せ〜」と恨めし気な視線を送るトンマな夫婦がいた。


●4月19日(水) 雨/日常
 雨だし仕事もなし。夢中で新ページなど作っていると背後からダンナの声。
「庭に出られなくても、楽しそうで良いねぇ(^=^)」
「発想の転換ですぅ(^ヘ^)」>いまだ外庭禁止令発令中である。
「君には発想の転換なんていらんでしょう(^=^)」
「なんでや〜〜〜(⊆o⊇)」
「切り替える前に切り替わってるからね、ころころころころ(^=^)」
「どーゆー意味ぢゃ〜(⊆_⊇)」
「いやいや、何やっても楽しめるってのはエエことですよ。ふっふっふ(^=^)」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「さてと、コーヒーでも飲みますか(^=^)」
「あ、私も飲む(=^^=)Y」
「・・・・・(がっくり)」


●4月22日(土) 晴/ガーデナーの愉しみ
コーンサラダ、ルッコラ、クリンソウ種まき・チャービル、サントリナ、オレガノ、ゴールデンセージ植付け
 久々に腐葉土や日向土を買いに行くとガーデニング・フェアとやらで苗がたくさん並んでいた。見ていると、ついつい買ってしまう。猫の草というのを買ってみたが案の定、グッチ婆さんはふんと匂いを嗅いだきり見向きもしない。チャービルとサントリナをドッグ・ローズの根元へ、オレガノとゴールデンセージをハーブガーデンに仲間入りさせた。
 明日は雨だというので、コーンサラダとルッコラ(ロケット)、いただきもののクリンソウの種を蒔いた。今年は種まきをしていないので、友人に送ってもらって植え付けたばかりのサギ草をしばし眺め、しばし楽しむ。「なんで土を眺めてニヤついてるんだ?」と、背後から旦那の声。自分で育てない人には理解できない楽しみなのかもれないと再びニヤつく。


●4月24日(月) 晴時々曇り/ミント討伐計画スタート!(1日め)
 やらねば、やらねば、と思いつつ先延ばしにしているうちに、ちいさなモクレンの周りはミントと姫シャガに占領されていた。姫シャガの根は地下の浅いところを這い回るから良いものの、ミントはかなり深く潜行してびっしりと根を張りながら進んでいる。放任されて伸び放題に伸びた金糸梅の中央からもにょっこり顔を出していた。もぅいけないーーーと、今日はついにミント討伐計画に着手。
 まずはどこかに移すより他レスキューの道は無さそうな金糸梅をざくざく切り詰め、念入りに雑草を取る。雑草を取るのはミントの根っこが残らないように根っこを追っかけやすくする為。ミントは根の切れ端が残ってもすくすく元気にはびこってしまうから。。そう、以前にもちいさな根っこを見逃した為に、三年経った今もこうして闘うハメになっているのだ。今年こそは見逃さないぞ〜。。。


●4月25日(火) 曇りのち雨/ミント討伐計画(2日め)・錦糸梅移植
 レスキューした錦糸梅を移植する為、今日は海側に花壇造り。以前に腐葉土や堆肥を入れて花を植えていた場所なので、土は柔らかく作業ははかどった。が、手の麻痺の所為でしばらく鍬やショベルを使う作業をしていなかったので、あっという間にへばる。。情けないことに何度も休憩しながら、ようやく花壇が完成。
 さて、後は移植と思いきや、錦糸梅は思いっきり根を張っていて、掘り起こすのに一苦労。やっとの思いで掘り上げてみると、びっしり詰まった根の中にミントがたくさん潜り込んでいた。ミントごと移植するつもりはさらさらないので、丁寧に、慎重に、ミントの根を取り除く。「どこかに隠れてないかぁ〜」という頃になって雨が降り出し、慌てて新しい花壇に植え込んだ。。雨の中を走り回って、根元には道路に山盛り顔を出しているビオラを植えた。下草兼敷きわら兼肥料になる。。
 終わってみると腰はグキグキ、身体はヘトヘト。明日は一日雨のようなので、ゆっくり休もう。ミントたちとの闘いはまだまだ続くのだ。。。


●4月26日(水) 曇/ガーデナーの愉しみ/パパイヤ移植、猫の草盆栽仕立て
 今日はお休み…と思っていたら雨が上がった。土が濡れていて耕せる状態でもないので、めきめき大きくなって来たパパイヤを植え替え…と思ったらパパイヤ用に買っていた鉢、なんと底穴が無い!やむなくキリと金槌を引っ張り出して、底穴をあけるところから始めた。こういった単純作業はわりと好きである。ふと思い付いて、グッチ婆さんが見向きもしない猫の草とやらを盆栽に仕立てて遊ぶ。どんなふうに育つのか、ちと楽しみ。百日紅や黄金葉こでまりをちょこちょこ剪定して、今日はおしまい。。


●4月27日(木) 曇/ミント討伐計画(3日め)
/えごの木、山椒、クリスマス・キャンドル定植、姫シャガ移植
 ミントに便乗してはびこっていた姫シャガを荒れ地の一角に移植。姫シャガは清楚で美しい花、ここならどれだけはびこっても邪魔にはならない。小鳥たちの庭でこぼれ種から芽生えていたえごの木も小鉢の中で冬を生き抜いて、小さいながらも芽吹いてきたので一緒に植え付けた。いつの日か、強い陽射しから姫シャガを守ってくれるようになるだろう。今日は挿し木成功の山椒も定植。親株はモグラにやられて枯れてしまった。


●4月28日(金) 曇/ミント討伐計画(4日め)/金銀木、マロウ移植
 錦糸梅同様、株の中央からミントが顔を覗かせていた金銀木を荒れ地に移植。今回も頑張って深さ80cmくらいの穴を掘り、底の方に腐葉土、鶏糞、自家製の草木灰と貝殻をたっぷり混ぜ込み、根に触る部分には腐葉土だけを混ぜ込んだ。その後、植穴の横に穴を掘り、生ゴミから造った自家製堆肥を埋め込んだ。
 一息ついて見回すと、わぉ、マロウが雑草化の仲間入りをしている様子。ジャーマン・カモミール、ボリジ、マリーゴールド、タイムに続き、荒れ地の仲間になりそうだ。砕けそうな腰に喝を入れ、再び荒れ地を耕して、道路に芽生えたマロウの根を傷つけないように丁寧に堀り上げ移植。明日からは雨なので、なんとかみんな元気に育ってくれると思う。間もなく四月も終わる。春の予定はまだまだ山盛りなのに…。


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