ベストセラー |
「これは面白いなぁ」……という独り言に興味が膨らみ開いてみたダンナの読みかけの一冊「動機」。いきなりぐいぐいと引き込まれ、「返せよ〜」という言葉も無視して読み耽ってしまいました。追っかけてみたい作家との新たな出会いの予感が確かにありました。/2001年
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顔 FACE 魔女狩り・決別の春・疑惑のデッサン・共犯者・心の銃口 初版15.Apr.'2005/徳間文庫(2002年10月に徳間書店より刊行)/'05年読 |
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横山秀夫氏のデビュー作である短編集『陰の季節』で描かれた懐かしいD県警。この中の短編“黒い線”に登場した鑑識課婦警、平野瑞穂巡査が主役となって活躍する連作短編集。ついにヒロインの登場だ! とは言え、秘書課の広報公聴係に配属された平野瑞穂は、日々の雑務に追われながら、ため息混じりに仕事をこなしている。一日も早く、機動鑑識班の一員として犯人の似顔絵を描く専門職に戻りたい・・・そんな瑞穂に、時期外れの配転の命が下りた。 「この部屋には婦警なんぞいらん」「だから女は使えねぇ!」男社会の警察組織の中で、軋轢に耐えながら踏ん張る婦警たちの姿、過去のトラブルを抱えながらも一歩、また一歩と成長していく瑞穂を通して、警察組織の新たな一面が垣間見える。まだまだ甘ちゃんだった似顔絵婦警・平野瑞穂が、追い詰めた犯人の胸にピタリと指鉄砲の銃口を据えるラストシーンは素晴らしい。“心の銃口”は珠玉の短編として記憶に残りそうだ。 |