■死ぬかと思った ■罠にはまった ■胸にこたえた ■腹がよじれた ■寝るかと思った

板東眞砂子の書庫


ベストセラー

土着の迷信や伝説、独特の空気感、いかにも魑魅魍魎が跋扈しそうなおどろおどろしい、そして時にはひどく艶かしい雰囲気がたまらない。なのに、読後感はさっぱり。なぜか、作品には常に「緋色」のイメージがつきまとう……。

涙を飲んで選ぶオススメの一冊
蛇鏡

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板東眞砂子 山妣(やまはは)
初版20.Nov.'96/新潮社/直木賞受賞
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明治末期、雪に閉ざされた越後の山村に東京から芝居指南の旅芸人がやってきた。一座の花形は妖しく美しい涼之助。小正月と山神への奉納芝居の準備に追われる山里は一気に活気づくが……。 情念と怨念の引き起こす数々の惨劇が雪を血の色に染め、山村から山神の怒り猛る山嶺の奥へと涼之助を追い立てる。そして、ついに伝説の山妣を呼び醒ます。人物の強烈な個性とストーリー展開は迫力満点の面白さ。

板東真砂子 蛇鏡(じゃきょう)
初版24.Feb.'94/マガジンハウス/直木賞候補作
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蔵の中でみつけた古い鏡には赤い花びらのような浮き彫りの蛇の紋様があった・・・
婚約者と共に姉の七回忌に帰郷した妹は、結婚を目前に蔵の中で首を吊った姉の死への疑問から逃れられないでいた。そしてみつけた妖しい鏡が映すものは……。やがて「みぃさんの祭」が近付いてくる。土俗的なねっとりとした恐怖がじわじわ背筋を這う。奈良を舞台に独特のジャパネスクな雰囲気がねっとりと流れる中、怖い!嬉しい!と夢中で読んだ。

板東真砂子 死国(しこく)
初版23.Mar.'93/マガジンハウス
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四国・・・奥深い自然、白装束のお遍路の姿、願の成就する神聖な場所。願は時として執念となり、時として妄執となる。想像を駆り立てられる厳しく逞しい四国の自然を背景に、生者と死者の織りなす妖しく恐ろしい物語が綴られる。うっすらと鳥肌を立てながら、わくわくと一晩で一気に読み上げた。


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